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Special Issue

Visiting Valcucine

知恵あるキッチン バルクッチーネ
2018.08.20 キッチンジャーナリスト本間美紀

●ミスター・ガブリエレ・チェンタッソ登場

今回の取材では、バルクッチーネの哲学を支える人物、ガブリエレ・チェンタッソさんにお話を聞くことができました。キッチンのデザインやブランドのコンセプトはすべてチェンタッソさんから生み出されています。その話は意外な始まりでした。「私はいつも4つのことを考えています。人としてどういうことを思っているか。その人の行ったことがその人をつくる。行動の成果はその人しか持てない。そしてそれを周りと共有し、分け与える。この4つが調和したあり方が、私の理想なんです」。

哲学者?発明家? 知的な感じと柔らかさを持つ素敵なミスターです。カラヴァッジオ、ミケランジェロ、ジョット、ダ・ヴィンチというイタリアの偉人を尊敬しています。

「だからバルクッチーネのキッチンも、物を売るのではなく、このキッチンを使うことで家族が幸せになる、キッチンを製造しても環境を損なわず調和する。工芸の力を借りて自然の美を暮らしに取り入れられる。環境と調和するものづくりの思想をキッチンを売ることで共有できる。その一つのハーモニーがバルクッチーネなのです。自然から受け取ったもの、そのために失ったもの、それをきちんとつないでいかなければいけない」。同社では植樹運動や若い学生の教育にも力を入れています。

そんなチェンタッソ氏のデザインの源は100%、身の回りの自然を丁寧に観察することから生まれるのだそうです。「鉱物の組成や結晶、砂浜の紋様、葉脈など自然には美しい意匠が潜んでいる。僕はそれを発見するだけです。そしてイタリアの自然を愛していますから、世界中を旅行することもありません。ポルデノーネを歩くだけで、限りなくデザインのヒントは見つかる」と話します。

彼にとってはミラノサローネのトレンドも世界の流行も、大きな影響力を持ちません。表面的なデザインよりも構造のデザインが、彼の得意分野。収納もできるだけ自重の力や歯車など、人間の力で自然に開閉できる仕組みを考えています。「それを考える時間が大好きなんだ。川の流れや風の動き、自然の力にたくさんヒントがあるよ」と笑います。開閉の一部が電動になっているのは、「あくまでもアシスト機能。基本は人間の力を利用します」と説明します。

チェンタッソさんのアイディアスケッチから。手書きのスケッチを描いてあれこれ考えている時間が彼の幸せなのだと感じられました。

 

ワークトップに沿った長い収納のふたも、テコの原理でふわっと開くように考えられています。

そんなチェンタッソさんを尊敬する雰囲気が、社内を歩くと伝わってきます。「彼は本当に純粋。子どものように澄んだ心を持っているから、素晴らしいデザインが生まれるのよ」。そう評する社員もいました。

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