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「組み立てる」って、すごいこと
2022.04.11 キッチンジャーナリスト 本間美紀

[本間美紀のコラム 2022/04/11] 

●「組み立てる」って、すごいこと

簡単に書いてしまうけど、なにかを「組み立てる」ってことは、すごいこと。それをどう使いたいか、思考という意味での「組み立て」だ。

家族が必要とするキッチンの使い方と収納を、どう組み立てていくか。そこに主眼を置いて収納を考えている人が、本当に増えていると思う。取材で引き出しを開けさせてもらうと、そんな「組み立て」の思考の瞬間が見えて、無言で感動していたりする。

それに応える収納システムも変化している。フレームやサイドパネル、各種のパーツを組み立てる、長く簡易版と思われてきたシステム収納にもグッドデザインなもの、ハイエンド版が増えている。その手始めになるのが、スウェーデン「ストリング」のモジュール式収納ブランドかもしれない。1949年に建築家のニルス・ストリングが妻のカイサと開発したもの。

私も実は数年前に限定色のスモークドオーク色のストリングを手に入れてみた。私の場合は、どう使いたいか、あまり深く考えないで購入した。まずはシンプルな構造美を試してみたいと思ったのだ。

サイドパネルの配置で壁面の収納スペースを柔軟に広げることができる。下の写真のカタログのように縦横、きっちり揃ってなくてもいい。ずらすことで、広がる。そこが魅力的で、でも難しい。

ハシゴ状の細いサイドパネルとかちっとはめ込める棚板をベースに、さまざまなパーツを組み合わせていける。軽くシンプルで、薄型梱包が可能。価格も手頃で戦後のスウェーデンの家庭で、広く愛用された国民的なシェルフだ。その仕組みは70年経った今なおほぼ変わっていない。

自由度が高い分、「何をどうしたいか」明確な意思がないと、色もパーツも選べない。逆に「自分がこれをどう使いたいか」、意思や目的のはっきりしている人にはこの上なく便利なのだ。

棚板を支える金具が肉厚な金属で、まるでオブジェのような存在感があり、ストリングとロゴが刻まれている。こういうところに惹かれてしまう。しばらく手のひらの中で触れてみる。


渋みのあるブラウンの棚板で、奥行も浅いため(ストリングポケットという奥行15cmのミニタイプだった)、コーヒーミルやポット、豆の瓶など、コーヒーの道具を置くのにぴったりの場所ができた。実際に組み立ててみて、そのシステムの自在さに、普通の棚にするのはもったいないくらいのシステムなんだと感じた。

さらに発展させたいと、ストリングのパーツの買い足しの検討を始めていながら、どれをどう組んでも良さそうに思えて、うんうん悩みながら1年が過ぎている。何をどう置いて使いたいか、明確に目的が「組み立て」られていないから、そうなっているわけで、意外と「問いかけ」多いプロダクトだ。

だからこそ使ってみたい、さあどうしよう。なかなか考えを「組み立てる」のは難しい。そんな知的ゲームみたいな北欧の収納、迷路に入ったみたいにぐるぐるしている。

コラム=本間美紀

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