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A Smart and Comfortable Life
楽しみつくす─これからのスマートキッチン
[本間美紀のコラム 2022/04/18]
お茶とは植物との対話なのだ、という体験をしてきた。お茶を味わい心を癒すというコンセプトの京都のアートホテルの内覧会に招かれた時のこと。
自分が茶道を習っていたのは幼稚園の時。お作法はすっかり忘れてしまい、今では茶葉の開く数分も待てないほど、慌ただしい日々を送っている。
だから京都に行くと、茶道を基にした奥ゆかしいマナーが日常に根付いているのを感じて、自分の不作法が不安でいつも落ち着かない。
事前の説明の中に「実は今、伝統的な茶道とは違う、新しい茶道を極める茶人が増えています。茶車(ちゃぐるま)なんて考えかたもあるんですよ」という話があった。
いわゆるおしゃれなフレーバーティなのかな、など思いながら、まったく想像がつかなかった。「ふるまい茶があるから、本間さんぜひ体験して」と手を引かれて、連れていかれたのがホテルの庭園だった。
古代の発明家が拾ったもので作ったような(失礼承知で)可動式の台でお茶を立てている人がいる。その人こそ、陶芸家であり新茶人の市川孝さんという人だという。