暮らしはアートから始まった

●アートとのコンビネーション、そして学び

キッチンのあるフロアに限らず、奈穂子さんの家にはアートや個性ある家具が、あちこちに点在しています。

メインのダイニングテーブルは「ルボー」という花のように広がったウッドフレームのテーブルです。「オラチェア」は柔らかなフォルムで腰をしっかりサポートして、長時間の食事にも心地よく座っていられるそうです。円やラウンド、誰もを迎え入れる曲線を持つフォルムを奈穂子さんは好んで選んでいます。

「本当は照明を３つ吊りたいとか、もっともっと夢がありました。そこはインテリアコーディネーターさんが空間バランスの取り方を教えてくれて、ライフオーガナイザーの中村さんから、ものとの付き合い方を学んで、キッチンとインテリアを通して専門の方の知恵を学べたのも、今回の家づくりでよかったこと」と、向上心あふれる奈穂子さんは話します。

フルオーダーキッチンだから、インテリアとの調和、ものと上手に付き合える収納計画ができた。そう思えるキッチンです。

２階のリビング、キッチンからエントランスに向かう動線にも、あちこちにアートが。大好きだというアートが、家族の感受性を育んでいます。

住宅設計＝積水ハウス

取材・文／本間美紀　早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「人生を変えるインテリアキッチン」「リアルキッチン＆インテリア」（以上小学館）、「デザインキッチンの新しい選び方」（学芸出版社）。

text=Miki Homma（Journalist）

撮影／岡村享則　photo=Yukinori Okamura