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Special Issue
HOMECHEF

04HOMECHEF by 北沢産業

2020.05.01 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●キッチンのヒントは家の外に ─レストランやカフェ、居酒屋

厨房機器商社が提案するオーダーキッチンブランド「HOMECHEF」、その誕生秘話に続きます。

─今回のリニューアルはどんなことがきっかけだったんですか?

「実はこの数年、当社のオーダーキッチンは迷いがあったんです。なんでもできてしまうから、営業が自社を語る言葉を持たなかった。ローコストでも超高級でもなく、特定の材料の自社工場を持つわけでもない。結局、うちに決めていただく強い理由がないから見積もり負けしてしまうことも多かったし、一般のお客様にもあまり知られていませんでした」

─ “なんでもできる”ことはどのオーダーキッチン会社でも強みでもあり、弱みでもありますね。

「そこで社内のチームで、徹底的に自社の良さを見つめ直すことから始めました。会長や社長、常務など、厨房設計の現場でもまれてきた経営陣から出てきた言葉が“プロシューマーキッチン”という言葉だったんです。やっぱりうちはプロの厨房機器がいつも社内にあって、店舗や飲食店のノウハウに強い。自社の魅力を自覚するまで、ミーティングを1年繰り返しました」

─プロシューマーキッチンってなんですか?

プロ(料理人)の知恵をコンシューマー(一般消費者)のキッチンに生かすという意味を込めた造語です。急ごしらえではなく、社内でずっと温めてきた言葉で、今回のリニューアルの軸となった考え方です」

─デザインも素敵ですが、より料理に特化したキッチンということでしょうか?

「はい、ここではお料理が好きとか食べることが好き、という気持ちに素直に向き合っていただきたいです。お寿司屋さんのカウンターに座ると心地よい、子どもたちとお菓子やパンをつくりたい、うちで蕎麦を打ちたい、釣ってきた魚をおろしたいなど、特別な夢を持っている人は特に歓迎します。ショールーム入ってすぐの壁には、そんな思いを呼び起こす言葉を、澤田明彦さんのイラストとともにちりばめているんですよ」

─プロの厨房機器でキッチンをつくれるということですか?

「“プロの料理に憧れる気持ちを汲み取って”、それを家庭用に最適化するという方が近いですね。もちろん業務用も応用していきます。後ほどご説明します」

─キッチンはどんな風に開発していったのですか?

「この4つのキッチンプロダクト開発とショールーム内装は、インテリアとプロダクトの両方を手がけるデザイナーの高須学さん(写真下)にお願いしました。ホテルやレストランのインテリアと厨房設計もされていて、家庭用の家具や生活用品、住宅のインテリアも経験がある。飲食店の雰囲気を家庭のインテリアキッチンにしたいというお客様に対し、これ以上適任の方はいないと思いました」

地味なように見えて、ショールームで一番人気があるという「グルメキッチン」、別名“居酒屋キッチン”とも。写真は高須学さん本人。ナラ材のカウンターが魅力的。広さに限りのある住宅でも応用しやすいモデル。

─キッチンの設計や図面製作は、建築とは違う細かさや感覚が必要ですからね。

「そうなんです。さらに高須さんからは明治通りに面した大窓を生かして、通る人に興味を持ってもらうショーウィンドウにしようというアイディアもいただきました」

─外から見ると、本当にレストランみたいですね。話していても、たくさんの人が通りすがりにのぞいていきます。

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