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Special Issue
After many years

時を経て手元に残るもの

2019.12.02 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●静かな時間が戻ってくる

キッチンの扉を閉めると、また静かな時間が戻ってきます。テーブルはカッテラン・イタリア社のもの。ガラスのテーブルトップは空間を遮りません。

カッシーナのソファとチェアはフィリップ・スタルクのデザイン。「クラシックな雰囲気を持ちながらも、モダンにまとめているデザインがよかったです。ミニマルなキッチンに直線的でモダンな家具を合わせると、揃いすぎてしまいますよね」と少し柔らかさを込めています。

そんなえみこさんが自宅で楽しむというのはアートとワイン。取材の間にそんな話を伺っていたら、とっておきのシャンパンの栓を抜いてくれました。淡い黄金色の一本はがさらさらと繊細な泡を立てます。なるほど、アッシュベージュのキッチンは、そんな美しい色を背景として引き立てます。

そしてえみこさんのシンプルなインテリアの中で、強い印象を放つアート。平面的なアートでははなく、グラフックを立体的に重ね合わせたようなもので、奥行きのある作品が壁に飾られています。

「海外に度々行きます。このアートは偶然にもニューヨークのアートギャラリーで出会いました。アルミや金属をカットして重ね合わせたもので、奥行きがあります。コンテンポラリーなものやフランス人作家のもの。アートをかける前に壁を補強して、サイズも調整してもらいました」。

 

産地やヴィンテージ、作り手の違いを感じ分けながら、ワイン選びを楽しむというえみこさん、アートやワインへの深い造詣が、インテリアやキッチン選びにも反映されていると感じました。「一軒家から別荘などさまざまな住まいを体験をして、多くのものと出会いましたが、ここでは人生の中で本当に選び抜いたものだけ、手元に残ったものだけを大切にして暮らしています」。そんなえみこさんの言葉が心に残りました。

 

Supported by kitchenhouse

取材・文/本間美紀 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)

text=Miki Homma(Journalist)

撮影/岡村享則 大学で住居学を学んだ後、桑沢デザイン専門学校へ。建築写真家の事務所で修行。独立後は大手新聞社でジャーナリスティックな撮影を手がける。その経験から得られる現場感覚とデザインへの感度でストーリーを紡ぐようなライフスタイル撮影に定評がある。暮らし、インテリア、料理などの撮影のほか、釣り雑誌での連載を持つなどアウトドアマンとしての顔も。リアルキッチン&インテリアを代表するフォトグラファーとして活躍中。

[My kitchenhouse] はキッチンハウスとリアルキッチン&インテリアがお届けする、リアルなキッチンの今を伝える連載です。

お問い合わせ/キッチンハウス 東京店 世田谷ショールーム TEL:03-3969-6648
www.kitchenhouse.jp

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