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Milano moves to 2021

ミラノサローネ─未来への延期 後編
2020.04.01 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●そしてミラノサローネは未来への延期

現在、ミラノ市長は市民の健康と安全 を確保する対策に奔走していると思われますが、今年初めに発表に市長が発表したコメントを掲載します。

「ミラノサローネの今年のテーマのインスピレーションは、クリエイター、企業、来場者、ミラネーゼの人々をミラノが近年知り得た新しい次元で映し出します。常に効率的で、競争力があり、革新的で国際的であるミラノは、独自の方法で美しさを創造し、提供し、そこで暮らし、他の芸術都市と変わらない自身の美しさに気づきました。またミラノサローネは、環境的、社会的に持続可能を目指すミラノの願いと、若者を中心とした使命を表明しています。私たちはこの使命に基づいてデザインと生産を行い、私たちの街の都市変革と再生を推進しています」

2019年のサローネより。ミラノの名物である運河を舞台に行われた、レオナルド・ダ・ヴィンチ生誕500周年を記念した屋外イベント「アクア」。これもミラノ市とサローネ主催者の協力があってできたイベント。行政とサローネの連動は2020年以降も強化する予定でした。
エキスポ以来、国際化の盛り上がりを見せたミラノですが、急激な都市の発展に地元の暮らしが追いつかないということもあったのかもしれません。国際都市として人の往来が急激に増えたミラノ、都市があらためて深呼吸をする前に、ウィルスが蔓延してしまったことは本当に残念です。

私自身も延期という結果を受け止める一方で、「Stay at home」という「わが家で過ごす時間をみつめ直す好機」を世界中が得たことに未来も感じています。封鎖直前のヨーロッパで肉声を拾うことができたのは、取材者としては得難い体験でした。気持ちの落ち着かない世の中ですが、2次情報が無責任に拡散されていくこともある中で、事実を確かめ、信頼できる言葉を探し、希望を伝えること。その大切さをあらためて噛み締めています。

そして世界中で今回のコロナウィルス感染拡大で命を落とされた方のご冥福を心からお祈りするばかりです。

前編はこちら

取材・文/本間美紀 Reported by Miki Homma/journalist

リアルキッチン&インテリア著者 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「人生を変えるINTERIORKITCHEN」「リアルキッチン&インテリア」(小学館)「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)

 

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