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Milano moves to 2021

ミラノサローネ─未来への延期 後編

2020.04.01 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●家電とインテリアの融合も予感させた幻のユーロクチーナ

さらにSプロジェクトはゾーンの一部をユーロクチーナ(2万㎡に83社)と合流させ、家電とインテリアが融合する場所 ─ その重要ポイントとしてキッチンを位置づけていました。

家電専門のゾーン「FTK(テクノロジー・フォー・ザ・キッチン)」(1万1000㎡に40社)には、アジアからの家電系有力企業も大面積での参加を予定していました。アジアでのコロナウィルスの感染拡大が早くからサローネ開催の懸念材料となっていたはずです。各社から発表されるはずだったキッチン家電の考え方も、グルメ、美食といったことよりも、ホームオートメーションとの連携機能、フードロスをなくしフードマイルを短くする工夫、鮮度を保つ、エネルギーを節約するといった、サスティナビリティ志向だったと私は予想します。

2018年のミラノサローネ会場のフューチャー・トゥ・キッチンでガゲナウが発表した「中まで美しい冷蔵庫」。インテリアキッチンの要として冷蔵庫を主役に位置付けたエポックメイキングな新作だった。

併催のバスルーム展(1万7千㎡に179社)も、インテリアとしての居心地の良さに加え、水とエネルギーの節約というエコロジカルな要素が事前のテーマとして発表されていました。手洗い、うがいが日常になったいま、洗面所のあり方も変わってくるかもしれません。インテリアが暮らしの習慣をサスティナブルに変え、キッチンとバスは心地よさ、安心、健康を生み出す場所として、水回りの位置づけが今年以降は激変するでしょう。

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