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Special Issue

Linea Tarala

01 リネアタラーラ
2019.04.08 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●デザインの空気感をつかみにいく

門田:オーダーキッチンは完成品ではありませんから、依頼主のご要望次第でどういうものができるかが決まります。予算は調整できます。たとえばワークトップの素材や扉材など、色柄の違いで値段が変わらない時、より建築のイメージや依頼主の好みに適ったトーンを、ずばり提案してさしあげれば、予算内でより美しいものができる。このセンスがオーダーキッチンの大切な要素なんです。

リアルキッチン&インテリアseason6の表紙も飾ったロフトのキッチン

―このショールームがあるビルも建築家ユニットのアトリエワンの設計ですね。

門田:建築家の空間にはキッチンを設置してみないとわからないし、最上階は傾斜してトップライトがあり、ロフトような中2階がある。建築家住宅を好む依頼主が、キッチンをイメージしやすい空間です。

―オーダーキッチンはスタッフのセンスや感度の高さ、状況への理解力が、仕上がりを左右しますね。

門田:その通りなんです。小さい会社で大変ですけど、ミラノサローネに社員も参加するようになりました。一流の人が集まる、デザインを知る人が集まる。キッチンデザインを見に行くというより、こういう方が何を見て、どんなことを考えているか、その空気感をつかみに行くんです。さらにユーザーである依頼主は海外に駐在していた、留学していた、帰国子女の方など、国内外でいろんなものを見ている。ホテルやレストランでの経験値も高い。キッチンの依頼が、家事や収納とは違ったところからの話から始まることもあります。

テラジマアーキテクツ深澤彰司さんの建築に納めたキッチンの例。背面のキッチンはとてもシンプルですが、建築の天井高や連続する大きな窓とのデザインバランスが合わせられています。こういった点が地味なようでいて、美しさを決定するオーダーキッチンの実力と言えます(写真協力=テラジマアーキテクツ)。

門田:オーダーキッチンは個性的な物を作りたい人向けと誤解されがちですが、見えないところで調和する努力も大きいです。既成キッチンは幅60センチをベースに15センチ刻みで幅を考えますが、そうじゃないサイズの扉もつくる。そして収納の使い勝手としては、きちんと辻褄があっていて、生活に響かない。これがオーダーの大切な仕事の一つです。

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