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大阪のイタリアンデザインデイ

2024.03.25 キッチンジャーナリスト本間美紀

・よりよい工夫を重ねていく情熱

2024年もまた大幅にホール編成の変更が行われる。メイン家具ブランドのホールが最奥の22号館に移り、隔年で開催のキッチン、バスがもっとも地下鉄駅に近いホールに移る。

それを「昨年はクレームがあったんだろう」と言い捨てる人もいる。あれだけ大規模な見本市に来場する人を100%満足させることなんて、誰もできない。でもマリアとそのチームは毎年、フィードバックを丁寧に見て、新しい方法に挑戦している。

短いスパンで見れば迷走していると見えるのは仕方ない。でも長期的に見れば、新チームが最適解を探している道の半ばで、60回以上開催されてきた見本市のわずか3年か4年なのだ。

またマリアが重要視していることで面白いなと思ったのが、「会場での疲れを軽減してほしい」というテーマ。「見本市で疲れを避け、効率と発見と感動を得られるにはどうしたらいいか」。そこにフォーカスした会場の工夫を話していた。

そこで考えたのがブロック型ではなく、イタリアの都市を手本にした会場構成。真ん中にピアッツァ(広場)があり、そこには着想を得られるインスタレーションがある。会場のあちこちに休憩できるパブリックスペースもある。ミラノ工科大学の研究者と脳神経学的な実証実験も行い、疲労軽減とさらにはアルファ波が得られるだろうと予測しているそう。

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