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フォーリサローネと日本企業の今後
2019.05.29 宮澤明洋 リアルキッチン&インテリア 担当編集&総合ディレクター

●イヌ派? ネコ派?

ソニーはトルトーナ地区で「Affinity in Autonomy <共生するロボティクス>」という出展をしていました。タイトルと5つの展示構成(Awakening<意識>、Autonomous<自律>、Accordance<協調>、Affiliation<共生>、Association<連帯>)で、人とロボティクスの親和性が高まっていく過程を表現したとのことです。

Accordance<協調>というパートでは、無数の球体のロボティクスがフロア上に広がります。互いに連携・協調しながら動き、人間を見つけると寄ってくるというおちゃめな行動も。

でもやっぱり気になってしまったのは、そのうちのひとつのパート(Affiliation<共生>)で登場していた『aibo』です。

観客が触ると、『aibo』のその時々の感情の変化が色と文字(画面の「Trust:100.0」)でステージ上に現れる。

ご存じの方も多いと思いますが、初代の『AIBO』が販売されていたのは1999年から2006年。生産中止から11年を経た2017年1月に『aibo』と小文字になって復活しています。

実は2003年に、当時のソニー株式会社エンタテインメントロボットカンパニープレジデントだった天貝佐登史氏にインタビューをしたことがあります。その時、印象に残ったやりとりが、── 今後『AIBO』の「死」をどう考えるか── でした。『AIBO』は(当時から)ユーザーにとって単なる製品を超えた家族の一員ですが、メーカーにとっては製品です。補修用性能部品の保有期間はメーカーやどの家電かによって違いますが、大まかに言うと生産終了後5〜10年。最新の『aibo』の例でいくと、このモデルの生産終了後、7年を過ぎると補修用の部品が手に入らなくなる可能性があります。

こうなった時、メーカーとしてどうすればいいか? ということです。

これはなかなかに難しい問題ですが、2003年の当時は、その後『AIBO』にどんな運命が待ち受けているか考えもしなかった頃ですから、まさかその後、何年か経って『AIBO』のサポートが終了し、実際にユーザーが『AIBO』のお葬式をすることになるとは思ってもいませんでした。新たに復活した『aibo』はその「記憶」をクラウドに保存し、ボディーが代替わりしても「記憶」をダウンロードできる仕様になっているようですが、できるなら永続的な製品サポートがほしいと思うユーザーの気持ちも理解できます。

その意味では、何十年前の製品であってもメンテナンスが可能な海外キッチンや家具の世界がいかに素晴らしいものであるか、あらためてわかります。

ところで、この『aibo』、今回のサローネがイタリアでの初お目見えだったようですが、ふと、このトルトーナ地区で出展していた大企業(例えば自動車のプジョー、ジャガー、シューズのプーマ)の展示やロゴマークを見てみると……そう、ネコ科のオンパレード。

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