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フォーリサローネと日本企業の今後

2019.05.29 宮澤明洋 リアルキッチン&インテリア 担当編集&総合ディレクター

●伝統に裏打ちされた技術力

今回、「ミラノデザインウィーク」に初出展した企業のひとつに京都・西陣を発祥とする織物業界の最高峰ブランド・川島織物がありました。

展示会場はリッタ宮(Palazzo Litta)これもミラノのロケーション的なトレンドの一つ。市内の伝統的な宮殿を複数の企業が分け合い、出展するスタイルです。普段は入れない宮殿の部屋を回りながら、企業やデザイナーの作品をめぐれる趣向です。

バロック様式およびロココ式の装飾で飾られたリッタ宮と琳派の画家・工芸デザイナー、神坂雪佳(1866~1942)の図案との対比は、まさに壮観で、海外の方も思わず「Spectacle !」とつぶやいていました。会場構成はグラフィックデザイナーの廣村正彰さん。

日本には優れた伝統技術・伝統工芸がたくさんありますが、日本の中にいて漫然とそうした製品を見ていても、そのすごさに気付かずに通り過ぎてしまうことがあります。しかし、適切なアートディレクションのもと、全く違う舞台の上で「日本の伝統」を見る機会に恵まれるならば、それは今までに感じたことのなかった「光」を放ちはじめる──そんなことを改めて感じたインスタレーションでした。

川島織物は天保14年の織物メーカー。正倉院の布生地の修復も行うなど、美術工芸の分野にも強みがあります。Photo=Nacasa&Partners
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