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Photography, philosophy! 01

リアルキッチン&インテリアの写真哲学

2019.01.15 リアルキッチン&インテリアPR 田中裕美子

 田中:今回、かなりたくさんの撮影をするにあたって意識したことはありますか。
本間:岡村さんには世界のインテリアやキッチンのトレンドを見てから、ユーザーの取材をしてもらいたかったので、4月にミラノで開催される、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」に同行してもらいました。リアルキッチン&インテリアの読者は海外のセンスを好みます。だから、いわゆる温かい木の家で、家族がほっこり写っているような写真を掲載したいわけではありません。ドキッとするシーンが登場する海外の映画のように、その人の生き方や価値観が投影されたような、ドキュメンタリータッチの写真を掲載したいのです。だから、その感覚を共有してもらうことが大事でした。

岡村フォトグラファーによるミラノ取材写真より

田中:実際に同行してみていかがでしたか。
岡村:ブランドによって商品や空間の見せ方がまったく違うことに驚きました。感じたままにシャッターを切りましたが、撮影枚数は1000枚以上に。あとから見て、「こんな写真、撮ったっけ?」と自分でも忘れるくらい、とにかくたくさん撮りました。本間さんが大切にしている感覚を共有できたという意味でも、とても意義のある出張で、ミラノで得た視点はリアルキッチンでもいきたのではないかと思います。

岡村フォトグラファーによるミラノ取材写真より

田中:ミラノの後に始まった取材では、どのようなことを意識して撮ったのですか?
岡村: そこに住み、そのキッチンを作った人の思いを伝える写真を撮りたいと常々考えています。撮影時間はたいてい2-3時間ですが、本間さんと取材を受ける方とのトークからわかることも多いです。会話から得られたヒントを聞き逃さず、その人らしさが感じられる写真を意識しながら撮っています。

 リアルキッチンの取材の現場にせまるお話は次回に続きます

岡村フォトグラファーによるミラノレポートはこちらから読めます。

フォトグラファーの心に残ったミラノの18シーン

インタビュアー:田中 裕美子 (REAL KITCHEN & INTERIOR PR)

取材・文/本間美紀 Reported by Miki Homma/journalist

リアルキッチン&インテリア著者 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)

撮影/岡村享則  photograph by Yukinori Okamura /Photographer

リアルキッチン&インテリアを代表するフォトグラファーとして活躍中。大学で住居学を学んだ後、桑沢デザイン専門学校へ。建築写真家の事務所で修行。独立後は大手新聞社でジャーナリスティックな撮影を手がける。その経験から得られる現場感覚とデザインへの感度でストーリーを紡ぐようなライフスタイル撮影に定評がある。暮らし、インテリア、料理などの撮影のほか、釣り雑誌での連載を持つなどアウトドアマンとしての顔も。

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