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Photography, philosophy! 02

リアルキッチンの写真哲学(後編)

2019.01.24 リアルキッチン&インテリアPR 田中裕美子

●取材があって、それから写真がある

前編からの続きになります。

本間:岡村さんにミラノに同行してもらい、その感覚を感じるのはちょっとしたディテールやなにげないものをクローズアップした写真ですね。こういったものをうまく採用してくれるのは、アートディレクターの宮本理希さんなのですが、リアルキッチンにとっても新しい感覚が吹き込まれた写真になったような気がしています。


田中:たしかにキッチンはまったく写っていませんが、キッチンの空気感やその方の暮らしぶりが伝わる1枚ですね。他に、キッチンの撮影をする際に意識をつけていることはありますか?

岡村:憧れと生活感の程よいバランスも意識しています。毎日使われているキッチンなので、そこにはリアルな生活感があります。ものが多いこともあるし、シンクには水が垂れている。でも、キッチンのカタログ写真を撮っているわけではないので、うるさくならない程度にそれも写真におさめていきたいと思ってます。

 本間:いつも取材を受けていただく方に事前にアンケートをお願いして、「自分がキッチンで大切にしたこと」をキーワード3つで表現してもらったり、人生で大切にしていることなどを教えてもらい、それを岡村さんとも共有しました。キッチンは家の中心的な場所で、人によっては一番長い時間を過ごす場所かもしれません。だから、その人の価値観、個性が反映されています。写真でも、文章でも、そこをうまく引き出したいと考えています。だからリアルキッチンの写真は単なる「絵作り」じゃないです。

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