
コラム、ご無沙汰しております。約10日間のミラノサローネ国際家具見本市&ミラノデザインウィークの取材から戻ってきました。
誰かがもしこのコラムを待ってくれているなら、この上なく幸せだけど、わからないまま再開。
今年は海外出張が多いです、、、と宣言して2月、3月、4月とドイツ、イタリアへ取材へ。年頭に予定していた旅程の4分の3をなんとか消化。
ドイツの様子は2回とも、リアルキッチンのインスタグラムのリールでレポート済み。、、、とご案内したところ、「本間さんのリール、意外と面白くてハマった」という意見を数名の方から聞き、なんとなく嬉しい。「私がその時、何を見ているか」臨場感ある感じに興味がある、という。ただリールはまだまだ作るのに時間がかかり、ミラノでは無理。
海外出張は基本一人。そうなると旅への集中力が変わる。「孤独」は時にすごいパワーに変わる。純粋に自分が良いと思えたものに、自由に時間を割ける。危険や不安を避けるためにきちんと調べる、準備する。体力の調整や休憩、自分のペースで取れる。何か考えが浮かんだ時、ぱっと立ち止まってメモを残すのも自由。
人と一緒になるタイミングもあるが、なんだかかんだでぺちゃくちゃ話しながら歩くので、見逃しているものがあるかもしれない。ただ、その人の視点で見たものを一緒に発見することもあるから、本当に信頼できる人、価値観や教養の基準が合う人と歩くのは、また深い意味がある。
ミラノでよく見かけるのは、有名ブランドのスタンプラリーみたいな周り方している3人連れくらいのグループ。ざっと見たい気持ちもわかるし、でもたった一箇所でもきちんと話を聞いてほしい。それがフックになるから。まず基準みたいなものが心の中にできる。さらに時間に関しては、欲張らずに一息つくこと。エスプレッソを飲む。ワインを飲む。気持ちがほぐれる。するとなんでこれに気が付かなかったんだろう、と思う何かが降ってくる。
それとどこかに入ったら臆せずに、誰かに話しかけてみる。それはちょっと怖いことだけど、向こうも何も言わず、誰とも名乗らず入ってきた人を少なからず不安に思っている。一言、話しかけてよかったと思えたことがたくさんあった。
それはやはり「一人」だから。クリーンでクリアで、たくさんの情報がインプットされる。相手も私にだけ集中するから。グループ行動ではこうはいかない。
一人というのか、孤独というのか、海外でが誰でもない自分として、もしかしたら一生縁がなかったはずの異国の誰かと、ふとした会話をすることが好き。今年のミラノレポートは。そんな旅日記のようなものを書いてみようと思っている。どうぞお付き合いください。
インスタアカウント:realkitchen_interior
コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)
●前回のコラム「リールに挑戦した海外出張」はこちら