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Special Issue
amstyle dream note 02

キッチンをめぐる少し未来のお話 02

2019.12.20

●創造を生み出す環境

清水「アムスタイルで新しいものをつくる時って、ある一定の時間の中や場所で考えるのではなく、いつも頭の中に残像のようにばらばらのアイデアやイメージがいくつもあって、ある時それを重ね合わせてかたちにしている感じなんです。ずっと考えているし、ずっと何も考えていないというか。長谷川さんはアイディアを生み出す時は、いつもどうしていますか?」

長谷川生み出すぞ、という環境をつくるんです。前日から食事にも気をつけておいて、その時が来たら、誰ともしゃべらず朝から集中します。生み出せる、と心の中で確信が得られたら、そこで出していきます。静かな空間の中で。そうなると1〜2時間で物語の種は必ず生めます」

清水「僕はそこまでストイックにできない(笑)」

長谷川「出すのはコンセプトとキーワード、イメージのみです。たとえば善光寺の企画なら、宗教を感じさせない、冬などのキーワードを頭にいれておいて、与件を加味しながらラフを描いていきます。デザイナーは与えられた条件を上手く料理しながらデザインをしていくんです」

清水「道具は何をつかうんですか?」

長谷川「ラフはすべて手書き。ピグマペンの0.5mmを使います」

清水「僕もある時までCADを使ってたけど、正確になりすぎると失われるニュアンスがあるとわかって、手書きのラフに戻っています。お客さんから預かった図面やスタッフが描いたやけに精密な図面を読み込んでタッチペンで書いては消し、考えてみる」

2018年に丸の内で行われたクリスマスイベント「Marunouchi Bright Christmas」では、本物のニット素材を用いた高さ10mのツリーをデザイン。提示された「北欧」というテーマの中で、温かみのある素材や雪国の世界が感じられる作品を5施設で展開した。

長谷川「ラフを詰めていって、スタッフと一緒にリアルなものにしていきます。それまではごちゃごちゃと描いている(笑)」

清水「そうすると現場が長谷川さんが好みそうなものを忖度して、仕上げていっちゃうんじゃない?」

長谷川「そういうわけじゃないけど、結果としてはそれでいいんですよ。それがうちらしさになる。そしてある種の上品さはかならずキープします

清水“その人らしさ”というのが基準になる。それがスタンダードっていうことかもしれない。でも迷いなく、悔いなくつくることは奇跡に近いです。どんなケースであれ、完成した時の戸惑いというものもありますね」


【amstyle dream note】第1回目はこちら
01 キッチンをめぐる少し未来のお話〜ロボットクリエイター・高橋智隆さん
https://realkitchen-interior.com/sp-issue/18103

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