料理好きのインテリアキッチン04

● 世界中にいる友人の生き方に刺激されて

「キッチンで人生は 本当に変わります」という智子さん。

こういう場所を持とうと、彼女が決意したきっかけは、世界中にいる友人たちからの刺激でした。

「尊敬するカナダ人の友人夫妻がイタリア・トスカーナに古い石の家を買ってオーベルジュを始めました。そのときは地元の食材をプロ仕様の調理機材のフルシステムが装備されたキッチンで料理していました。その後、二人がスイスの湖のほとりに住まいを移したとき、削ぎ落としたようにミニマルでシンプルなキッチンをつくったんです。２つのキッチンの違いと決断の潔さ。どちらもありだと思いました。私のライフスタイルをキッチンの在り方として自己表現したのが、この場所かもしれません」

「アメリカ系ＩＴ企業で働いて、その後、フランスに料理の勉強に渡りました。別の仕事でオーストラリアに住んでいたこともありました。人生の中で仕事も恋も出会いも別れも重ねて、今は世界中に友人がいます。大切な人とすべてを超えてコミュニケーションつながれる場所が、私にとってはキッチンとテーブルです」

「リノベーションでまず考えたのは、テーブルを主役にしたいということでした。食卓ということではなくて、場所として」そんなふうに話ははじまりました。