シックで魅惑的なコパーの輝き

フランスのノルマンディー地方。海の中のお城で有名なモンサンミッシェルの街。モヴィエルはそこに近い街に1830年に創業した銅の料理道具ブランドだ。ハンマーで手作業して、銅を打ち出してつくる鍋は、果物を煮込んでも色を損なわない、熱をすばやく伝えるので、バターや砂糖を繊細に溶かす。銅は繊細な料理に実力を発揮する。酪農とリンゴで知られるこの地域で、バターやクリームなどの食材を買い付けにくる料理人に注目され、発展した。柄の付け根の雲形のフォルムがモヴィエルの特徴。画家モネの自宅やタイタニック号でも使われていた。日本では2012年から本格的にデビュー。塩と酢で手づくりした磨き粉で使うたびにお手入れすると、キッチンに飾りたくなるほど、つややかに光る。これが銅鍋の魅力かも。