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Days & Stories

先入観を超える

2022.07.11 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●キッチンが美術工芸品の蔵になる

このショールームではブルトハウプ独自のウォールハンギングシステムを忠実に再現していて、1mで1トンに耐えるというフレームが壁に設置され、キッチンキャビネットはそのフレームにハンギングされている。

その上にエミール・ガレ、ルネ・ラリック、クリストフルなどの本物アンティークが並べられている。価格はすべて数十万円から数百万円。
そんな歴史あるアイテムの舞台に堂々となれる。ブルトハウプはそんな品質のキッチンなのだ。それは本物が置かれたときに、よくわかる。

イベントの来場者は空間の雰囲気や商品を眺めながら、キッチンの引き出しを開けたり、トールキャビネットの便利さを話しあったりしている。
来場者が自然にキッチンを興味を持って、見ている感じも新鮮だった。

ショールーム一番奥には、ブルトハウプがコロナ禍の前から提案していた、ガラスの引き戸で仕切ったルームスタイルのパントリーキャビネットが設置されている。
そこには漆器や木彫品など高価な日本の手工芸品が展示されていた。

キッチンなのに、さながら日本の旧家の蔵みたい、と小さな驚きがあった。
ドイツのモダンキッチンの先入観は取り払われて、新たな印象を持ってショールームを後にした。

 

コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)


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ブルトハウプ表参道ショールーム

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