●他にも続々とユニークなデザインプロダクトを発見
・「インテリアライフスタイル」の顔役、アッシュコンセプト
アイデアのあるデザイングッズを幅広く展開しているアッシュコンセプトは、「インテリアライフスタイル」の顔ともいえる存在。今年は180m2もの巨大ブースで13ブランドを展示し、約50点の新作を発表。かなりの賑わいでした。
医療用のプラチナシリコーン製の食器兼保存容器「ラップディッシュ」は、汚れが落ちやすく、マイクロウェーブを通しやすい素材のため電子レンジでの加熱が早く、さらに熱伝導性が低いため器そのものは熱くなりにくいので取り出しやすい、という利点があります。
・木村硝子店の美ブース
ブースが美しかったのは、木村硝子店。説明などのノイズを一切廃し、ただガラス製品が並べられたグレーの空間は、人で賑わう会場内のここだけが静けさを保ち、逆説的ですが、かなりインパクトがありました。もちろん、実際にはかなりの人が足を止めて見入っていました。
・海外勢で目立ったアイテムは……
イギリス出身のデザイナー。ジョージ・ソーデンによるシリコン製のシェード。部品がモジュール化されているので、さまざまな組み合わせが可能です。
シリコンは光の拡散に優れ、水洗いも可能。発色もきれいです。ポップだけどどこか大人っぽいデザインとカラーリングは、ソーデンがエットレ・ソットサスのもとで経験を積み、メンフィス・グループの共同設立者でもあったと聞いて納得。
・「Pusku pusku」のビーンバッグソファ。
長野県に本拠地を置く「Moobeli(モーベリ)」は、次世代のスカンジナビアとヨーロッパのインテリアを紹介する、2021年設立の新しい会社。
渋谷のスクランブルスクエアにショップがあります。「Pusku pusku」のビーンバッグソファの中身は細かくカットしたウレタンで、適度な沈み込みとサポート感。座ると即、ゆるい人になれます。座面がかなり低く、“床で暮らす”感じになりますが、北欧でもこの低さがウケているそう。さすがの北欧カラーリングです。
・「ブリティッシュ カラー スタンダード」のキャンドル。
もうひとつ、気になった“色”があります。
「ブリティッシュ カラー スタンダード」は、ジャッキー・パイパーとヴィクトリア・ウィットブレッドの2人のアートディレクターが、1931年にイギリスにおいて色基準として作られたものの、1950年以降は使用されていなかったカラーマッチングシステム“ブリティッシュ・カラー・システム”を発見したことから設立されたそう。
これは日本の伝統色や襲(かさね)の色合わせに近いものなのだと思います。このカラーチャートをもとにハンドメイドで作られたキャンドルとキャンドルスタンドは、たしかにイギリスっぽいカラーリングです。