●サステナブルな理由4 その先を見据えた素材選び
ものを長寿命にするかどうかは、素材選びが重要。バルクッチーネではそう考えています。エコな素材というと自然素材と考えてしまいがちですが、バルクッチーネが得意とするのは意外なことにガラス。ガラスは摩耗しない素材です。
強化ガラスのパネル材は、オリジナル色のカラーガラスからワークトップや扉材を選べます(もちろん他の素材もあります)。ガラスと言っても鉄の玉を落としてもビクともしない、驚きの強度を持ちます。天然素材を大きな面で使うときは、歩留まりの問題も生じますが、ガラスであれば強くて歪まない大きな面を取ることができます。
またチェンタッソ氏が自然の風景から着想を得た独自のパターンをガラスに写し取ったオリジナルガラスもあり、キッチンを個性的な柄で装うことができます。
バルクッチーネのワークトップはこの強化ガラスが標準仕様。深みのあるグレージュやブルー。シックな色が揃っているのもイタリアの美意識です。
さらにこのガラスは、職人の手によってアートを施すことも可能。緻密なカットワークで、写真や自作の絵などが見事に再現されていくのです。「世界にただ一つだけのオリジナルデザイン」が実現できる。愛着を持って使えるので、これもまたサステナブルな理由なのです。
内部構造はテクニカル、見た目はアーティスティック、使い勝手はエルゴノミクス。3つの絶妙な調和がバルクッチーネというキッチンの哲学です。
そしてすべての仕組み、素材、デザインが、それぞれが相互に意味を成しながら成立している。それは人間の暮らしのため。一方でその製品が環境に負荷をかけないように作られている。私にはバルクッチーネで働く人々と製品が一つの「めぐってつながる」環境のように思えるのです。
今この時代こそ、バルクッチーネが培ってきたサステナブルな価値観が大きな意味をもってくるでしょう。
2018年に尋ねたバルクッチーネのイタリア本社訪問記はこちらから
知恵あるキッチンバルクッチーネ
取材・文/本間美紀 Reported by Miki Homma/journalist
リアルキッチン&インテリア著者 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)
【2020年9月にショールームイベントを開催】
前回のイベントの様子はこちらから。参加の参考にしてください(人数はより絞り、ソーシャルディスタンスに配慮して開催予定です)。募集要項などは後日、このサイトでお知らせします。
Valcucine Tokyo
東京都港区南青山4-1-12 コンフォリア南青山1階
営業時間 平日:10:00~18:00(完全予約制)
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