
──家具はどのように選びましたか?
「ユーロモビルのキッチンは家具の美しい背景になってくれます。夫とショールームを回って、キッチンに合う家具選びを思い切り楽しみました。一方で庭への視線をさえぎらないように、テーブルも椅子もシンプルで低めのデザインを選びました。コッパーや真鍮の色味をポイントに入れたことで、シックで落ち着いた雰囲気になりました」
カッシーナのソファ「トゥート」。ミラノのファブリックブランド、デダールの布であつらえたクッションがアクセントに。センターテーブルはフランスのフィリップ・セルバを選んでいます。
──ダイニング照明はルイスポールセンの有名すぎる「アーティチョーク」です。
「強すぎるんじゃない? と最初は思いましたが、コッパーカラーのバージョンを見て、これ以上ないほどぴったりきました。落ちる光も温かいです」
玄関を入ってすぐの土間リビングは、靴のままお茶が飲めたり、歓談ができるアットホームな場所です。床は佐久鉄平石を乱張りにし、ムニの藍色のラグを敷いています。
オーレ・ヴァンシャーのアームチェアに、フロア照明はフロスの「アルコ」を合わせて。世界の名作インテリアが一堂に会したような趣味の高さが感じられます。
──家づくりを振り返ってみていかがでしょうか。
「建てた当時は家族同然の愛犬がいて、食べるものはすべて手づくりしていました。犬の足が滑りにくい床材を選び、ドッグルームはキッチンから行き来がしやすいように考えて…。もう旅立ってしまいましたが、食いしん坊な犬だったのでいつもキッチンで寝転んでいて、収納の扉や冷蔵庫が開けられなかったことも懐かしいですね」
──家の中で気に入っている場所はどこですか。
「キッチンですね。キッチンそのものというより、ここから庭が見えたりすることが大事かなあと思います」
後編に続きます。
以上「人生を変えるインテリアキッチン」(著:本間美紀/小学館)より。
ユーロモビル の記事はこちらでも読めます。新作キッチン「Sei」はカシミアにテニスシューズ?
[記事に登場のキッチンとインテリア]
キッチン:euromobil(ユーロモビル /イタリアキッチン) 販売施工=ユーロモビル 大阪
ダイニングテーブルとチェア、ソファ:casssina (カッシーナ/イタリア) 販売元=カッシーナ・イクスシー
ダイニング照明:louis poulsen(ルイスポールセン/デンマーク)販売元=ルイスポールセンジャパン
玄関のフロア照明:Flos(フロス/イタリア)販売元=フロスジャパン
玄関のダイニングチェア=カールハンセン&サン 販売元=カールハンセン&サン ジャパン
住宅=積水ハウス インテリアコーディネート:神崎恭子
写真:白谷賢
本間美紀 Miki Homma/Journalist
早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「人生を変えるインテリアキッチン」(小学館)、「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)
単行本『人生を変えるINTERIOR KITCHEN』(小学館)
定価本体1600円+税 B5判/144ページ
著/本間美紀
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(好評につきamazonでは品薄になることもございます。上記リンクにあるそれ以外の書店・ネット書店でお買い求めください)。
キッチン&インテリアのジャーナリスト本間美紀が監修、編集執筆するテーマムック。年に1冊のペースで2019年までにSeason8を刊行。憧れキッチンはインテリアから考える─をテーマに、これまでの日本のキッチンの常識を変える考え方やキッチン実例を紹介しています。
※掲載写真の一部はウェブ用に再セレクトし、理解しやすさを優先して編集しています。実際の単行本とは違う場合があります。ご了解ください。
「人生を変えるINTERIOR KITCHEN」
定価:本体1600円+税
発売日:2019/6/27
判型/頁:B5判/144頁
ISBN :9784093108942
発行:小学館