・カユイところに手の届く収納
収納はまな板、包丁、ボウルなど、日本の台所で多用されるものが使いやすく取り出せるように考えられています。日本のキッチン専門メーカーだったサンウエーブ(現在はリクシルと統合)は、収納の工夫がすごいですね。
またコンロと鍋の収納の位置、水栓との距離など、日本の料理の現場を知り尽くした感があります。
・お掃除しなくていいレンジフード
最近増えているのが、お掃除しなくていいという驚きのレンジフードです。
クリナップがかなり早くに発表し、最近ではパナソニックが10年お掃除しなくていい、というレンジフードも。各メーカーで詳細は違いますが、中に自浄機能が仕組まれています。
まあ以上、こういった機能はどこかが出すと、どこかが追随し、どこも機能が同じになる、、、という点では量販家電店の店頭の製品のごとしです。が、じっくり見てみると餅は餅屋、やはり「本業」に即した機能は他のメーカーと違う実力が感じられます。
スペックにしてしまうと同じようですが実際に触って確かめることが大事、と私がつくづく思うのは、そういう理由からです。
大手住宅設備のシステムキッチン、メリットは徹底した家事志向。デメリットはやはりインテリアの調和性と素材感です。が、これは「掃除がしやすいこと」を第一とする日本の家庭の声とコストを重視した結果です。悪いことではありませんが、全体的な仕立ては家電っぽく、量産品的な感じは否めません。
キッチンを腰壁で囲んで隠してしまうなど、セミクローズドのキッチンに採用されることが多いので、インテリア性よりもコストや納期、機能性重視の人はやはり住宅設備系のシステムキッチンがいいでしょう。
また高齢者や子供、親戚、来客など不特定多数の人が使うことが多いキッチンも使う人を問わないシステムキッチンがオススメです。
オーダーキッチンやカスタムキッチンが、機能やインテリア性など、ある程度「使う人の個性や好み」を限定してしまうのに対し、システムキッチンは汎用性に優れています。
大半のハウスメーカーやリフォーム会社で採用でき、サービス網も広いです。
[システムキッチンはこんな人に向いている]
・幅広い年代のいる家族や、シニア世帯
・キッチンのデザインにはこだわらない
・お手入れのしやすいさやメンテナンス性
・コストダウンしやすく、入手しやすい
特に2016年4月からの電力自由化を前に、大手住宅設備メーカーのキッチンはインテリアの延長というよりは、住まい全体のエネルギーシステムの「端末」の一つと考えられるでしょう。今後、住宅設備メーカーのシステムキッチンはホームコントロールシステムでキッチンの機能を制御したり、ハイテクノロジーの方向に進んでいきそうです。