とはいえ昨年の初本があるから、前例を示せるからスマートに進むところはスマート(対外的なことなど)。そしてコンセプトは変わらないし、スタイルも定着させたいから、体裁に大きな変化はない。でもそこで誰もがわかるインデックスで、するするとつじつまが合うようにまとめすぎると、それはそれで引っ掛かりがない。
最後の数ページはそんな葛藤がギリギリまであって、「つまづくもの」に挑戦するかどうかは、最後までアートディレクターの宮本理希と話し合った。そこで表紙の写真や記事の台割が変わるから、普通は冒険は避けたい。
結果、こんなに「つまづくもの」が出てくるのか、自分も全然予想していなかった。
それは色々なパートで、たった数pなのだけど、、、、。多分そこには成功も失敗も意味もないかも。でもやらないより後悔はない。
後から振り返ってみたら、誰かが言っていた音楽の話を思い出した。
「この曲をよく聞いていると、不思議な音やズレが入ってて、そこに自分がグッときていることに気づいたんだよ。でもそれはその人の体に叩き込まれているものだから、理屈じゃ説明できない。譜面にもない音。僕がコピー演奏でやろうとしてもできない」とあるシンガーソングライターについて話していた。
その時はそんなことあるんだって、ただ思っていた。まあ、それは成功例ということだけど。
ということで、7月28日発売の「リアルリビング&インテリア」、全体とても素敵な本になっています。
でも、もしある場所でふと手が止まってしまったら? 良くも悪くもつまづく何かを見つけたら教えてください。
発売をお待ちください!
コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)
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