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Our Home, A Private Resort
ホテルライクハウスの知的なキッチン
【本間美紀のコラム 2023/06/12】
「リアルリビング&インテリア」という本を昨年出版した。
そして現在7月28日発売に向けてのIssue02の制作に向けて、エンジンを掛けているところ。
「リアルキッチン&インテリア」と名前は似ているし、世界観は非常に近しいところがあるけれど、作り方や伝えたいものは少し違う。
世界から発信される情報を無音で純粋に伝えたい。本当にそんな気持ちから生まれた本。
私は「室内」編集部に勤めていた時、まだ20代でインテリアや建築のことなんて、本当に何も知らなかった頃から、世界のインテリア見本市やプレスツアーに取材に出された。
なんと最初の海外取材はポルトガルでコルクの森をめぐった(当時はインテリア素材として注目されていた)。
幸いにも時はバブルの尻尾の頃で、また「室内」は媒体としても非常に信頼されていたので、多くの企画が持ち込まれていた。当時の編集長や先輩社員は十分過ぎるほど、自分たちも海外取材の経験をしていたので、若い社員にもチャンスをたくさん与えてくれた。
当時(1990年代です)私が驚いたのは、家具やインテリア製品の実物のレベルももちろんだけど、海外取材で集めたり提供されたりする、非常に美しいカタログやプレス写真のレベルの高さだった。
その頃私は編集部で「今月の新作家具」というページを担当し、国内で販売される輸入家具や国産家具の写真を編集していたのだけど、もうぜんぜんプレス資料のレベルが違った(今風に言うとレベチ?)。
根底に流れる意識というか、何かが。
それは私が編集者であり、ライター、ジャーナリストであるから、その点に敏感だったということはあるだろう。