【本間美紀のコラム 2023/04/06】
東京・青山のモルテーニ・ダーダ東京が大掛かりなリニューアルをしたということで、新作発表も兼ねた夜のお披露目イベントにお招きいただいた。
もうすぐミラノサローネが始まるが、この数年のモルテーニは押しも押されぬイタリアインテリアのトップブランドとなり、ミラノでは女王の風格さえある。
初めに渡されたのがQRの付いたカード。
ん、なんか違う仕掛けがあるのかな?
「エリアの説明やご案内がQR から読めます」。最近よくある感じの説明アプリ?と思ったら、ちょっと違うみたい。
「今日はリビングや寝室など6つのエリアごとに、モルテーニの哲学を五感で感じていただける準備をしております」と説明を受ける。
最近のレセプションはきちんと哲学を伝えようと、一工夫しているところが多い。
モルテーニを扱うアルフレックスジャパンの皆さんが心を込めて準備した、立体的なおもてなし。その流れに丁寧に沿ってみよう、と心が決まった。
多くのレセプションは中をサッとみて、名刺交換して、カクテルでワイワイ、、、という流れだけど、ゆっくりと感じてみよう。
と、リビングエリアに行くと、エレガントなロゼ・スプマンテのウェルムドリンクが差し出される。ノンアルカクテルは金柑とジンジャーとハーブが香る飲みもの。
2022年のミラノサローネ会場で発表されたモルテーニの新しいコンセプト、障子や神殿をどこか感じさせる、アートディレクター、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによる明るいウッドカラーで組まれた空間がすでに再現されている。
同じくヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによる新作、「リビングボックス」という光る収納も。最初見た時はとても不思議に感じた家具だったけれど、夜に見るとその魅力がわかる。
下の写真は私が2022年にミラノサローネ会場で撮ったものだけど、東京とミラノでほぼブレることなく、同じ空間が再現されている。
艶を湛えたタイルの壁は今シーズンのモルテーニの空間のアイコンでもあり、イタリアのマラッツィというブランドタイルを選んでいる。
そんなことを思い出しているうちに、リビングが音楽とホームフレグランスの香りで満たされていることに気づく。聴覚と嗅覚。