
実は2024年エウロクチーナ(ミラノ国際家具見本市)の報告はこれが最初で最後でした。大きな特徴は、すでに有名ブランドであるところはさらに個性を磨き込んだり、または総合インテリアブランドとして発展する2方向に分かれました。またアランクチーネ、セザールなど、中堅どころのブランドが、とても良い製品を出して伸びてきています。以上はすべて本誌に掲載されていますので、ご覧下さいね。
アンケートからの意見を抜粋します。
「キッチンが家具化するのではなくて、建築パーツの一部となっているのが印象的だった」(ブルトハウプ)
「アークテクチュアルキッチン+モバイルパーツの考え方」
「建築にキッチンがインテグレートされる動きがあることが勉強になった」
「単純に天然石長の塊のようなキッチンが、コモディティー化してきていると感じるが、その次の道筋を言語化していて素晴らしいと感じました」
「マテリアルミックスでも、タイムレスに使えるシステムとして考えられている(ジーマティック)」
「ブランドはランキングではなく、個性のマッチング」
「ストーリー性が豊かかどうかが、ブランドの価値を決める」
「個性が重要視されているという言葉が印象に残った。写真や話からも個性やストーリーが伝わりました」
セザールのこのキッチンも大人気でした。MVi イナルコという素材と技術を使って、半透明感で深みを出す精緻な印刷技術で、AIとともに描いた「この世に存在しない鳥と花」を表現したキッチン。ガルシアクミニという、私が最近、とても注目しているキッチンデザイナーの新作でした。
「アートな要素が突き抜けていて、発想が面白かった」
「イナルコにプリントができるのは知っていたが、こんなふうに使うなんて、と驚きました」
「キッチンは機能からデザインへ、そしてアートにまで昇華されている。それに伴うアプライアンスもデザイン面の提案が重要なのだと気付かされました」
「リアリティに迫る高精細なプリント技術に、新時代的な印象を受けました」