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DESIGNART TOKYO report#004

デザイナート トーキョー:日比谷編

2022.11.02 アソシエートライター 安藤菜穂子

●コンセプトを楽しみ、美のヒントを得る

野村仁衣那(のむら・にな)さんの「Life Through Holes」。プラスチックのダイニングテーブル&チェアと冷蔵庫が発光するように浮かび上がっています。

野村仁衣那の「Life Through Holes」。プラスチックの表面に、無数の小さな穴が開けられています。

野村さんは、プラスチックの表面にびっしりと開けられた小さな穴に光が反射する様子を「光の細胞を宿す」と表現し、この光の細胞の輝きが「現代の私たちの暮らしに潜む価値を照らし出す」といいます。

古館壮真の「MASS」。“私たち人がモノを「どのように見て、どう認識するか」というテーマに対して、経験則からではない捉え方を促すインテリアエレメンツとして存在している”というコンセプトを読み、それまで自分が作品を見ながら無意識に「どうやって使うのかな」と考えていたことを思い知らされました。

3Dモデリングなどのデジタル上で引き起こされる非現実的な形態や関係性をヒントに生まれたディテール。

「これは機能性のある家具ではない」と認識した後も、見たことのない造形という視覚情報を脳が処理しきれない。その感覚が心地よかったです。

広い空間に、パノラマ映像が流れていたのが満永隆哉(みつなが・たかや)の「Berlin Wall Tokyo 2022」。ベルリンの壁で最も長く残されている部分を、描かれた絵ごと保存し展示する屋外ギャラリー「East Side Gallery」をスクロール型の映像で捉えた作品です。

私が行ったときは誰もいなかったのでわからなかったのですが、おそらく床に置いてあるルームランナー的な機械の上に立って歩くとそれに合わせて映像が流れていき、実際に歩きながら壁を見ているような体験ができるのではないかと妄想しつつ、ブースを後にしました。

渋谷〜青山〜六本木エリアが中心の「デザイナート トーキョー」ですが、日比谷まで足を伸ばしてよかったです。今回見ることができなかった会場もあるのでコンプリートできず残念でしたが、やっぱり未来に向けて開いている作品や商品の展示を見て回るのは楽しい!
今年はもう会期が終了してしまいましたが、来年ぜひ。

取材・文=安藤菜穂子(アソシエートライター)

デザイナートトーキョー公式サイト

●デザイナートトーキョーの見どころはこちらでも読めます

DESIGNART TOKYO 2022(デザイナート トーキョー2022)開催概要
会期:2022年10月21日(金)~10月30日(日)
エリア:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷/六本木/銀座
主催:デザイナート トーキョー実行委員会
展示数:92
参加クリエイター・ブランド数:約300名

発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)/川上シュン(artless)/小池博史(NON-GRID・IMG SRC)/永田宙郷(TIMELESS)/アストリッド・クライン(Klein Dytham architecture)/マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)

https://designart.jp/

・出展作品一部購入可能。
・開場日時は展示により異なります。
・新型コロナウイルスの影響により一部内容に変更が発生する可能性がございます。

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