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“L’art de vivre” in the kitchen
キッチンでアール・ド・ヴィーヴルを
少し自分自身のフィン・ユール体験もみなさんに共有させてください。
数年前、コペンハーゲン郊外のオードロップゴーにあるフィン・ユールの自邸を訪ねたときのことです。
切妻屋根の2棟の平屋で、空間を仕切る壁がほとんどなく、そこかしこにコージーコーナーがあり、「ここは廊下ね!とかって決めなくていいんだな」と思ったことを覚えています。
そして何より、家具のそばに置いてある小物やアートに心を鷲づかみにされました。
コーヒーテーブルに置かれた彫刻や小さな人形。本棚にはカイ・ボイスンの木製玩具(余談ですが、床にはまさかの鉄アレイ。ちなみにこの本棚は、縦スリットで棚板の高さや枚数を調整できるシステム収納的なものでした)。実用的な家具に、実用から少し外れた“小さなお気に入り”を置くことの楽しさを教えられ、私も早速真似して、食器棚に詰め込んだ器に小さな陶人形を紛れ込ませたりしています。
展覧会の冒頭で展示されているグローヴキャビネットは、ベッドルームに、インドネシアの仏像らしきものの横に置かれていました。