ミラノの空港にて、チェックインカウンターの上にはモニターがあり、航空会社のロゴを表示するのだが、クローズしているカウンターの画面には一様に同じ表示が出ていた。
「When you are kind to her, she is kinder, just tell what you want. we are happy to help you as possible. Pls do not make your voice loud 」
(あなたがカウンター担当者に親切に接してくだされば、彼女はあなた以上に親切になります。可能な限り必要なお手伝いを喜んでいたします。どうぞ声を荒らげないでください)
この1年、コロナ禍やウクライナの問題で欠航、遅延、また入国出国条件の不備で空港のカウンターは大荒れだったのだろう。文化もマナーも違うたくさんの人が空港のカウンターで声を荒らげ、仕方のないことでカウンター担当者を責める。そうじゃなくても、海外の空港のカウンターで、要望や権利を主張して後の人のことも考えず長々と交渉している人は珍しくない。
よりひどかったんだろうな、と想像した。
さらに乗り継ぎのロンドンで空港のラウンジを利用しようとしたら、そのカウンターにもこれまで見たことのない表示が。英語では覚えていないのだけど
「こちらは最大限の敬意を持ってお客様の対応をしています。お客様であろうとも、こちらもお客様から公平に敬意を受ける権利があります。こういったマナーに同意いただけず、過剰に尊大に振る舞う方には利用をお断りさせていただくこともあります」
そんなことが過剰に丁寧な表現で(!)書かれていた。多分そこでもいろいろあったのだろうな。実はこの2つの表示は、今回の海外出張で軽くショックを受けた表示だった。
自分もきちんと相手に敬意を持ってサービスしたり、受けたりできるようになりたい。
こればかりは人生の年季がいると思うのだけど、、、、。
まずは自分の身近な皆さんに失礼がないように振る舞いたい。そんなことをつくづく思う夜だった。
コラム=本間美紀(キッチン&インテリアジャーナリスト)
Text=Miki Homma(journalist)
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