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MilanoSalone2019 06

ユーロルーチェからのトピックス

2019.05.27 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●インパクト強め、のデザインライトたち

フロスに代表されるような、ミニマルデザイン、建築化照明(アーキテクチュアルライティング)は増える一方ですが、個性的なデザインの照明もやはり会場の花です。

【Artemide/アルテミデ/イタリア】

アルテミデはイタリアのデザイン照明の中でも、強めのデザインが得意という印象です。技術面では高品質のLEDとOLEDソリューション、そしてデジタル制御。アルテミデはその可能性を、これまでのイタリアデザインの中で実現していました。「アルテミデアプリ」を開発し、新製品の多くはこれのシステムを搭載していました。

ブースの入り口では薄い面照明のシリーズ「ディスカバリー」のインスタレーション。次々と色や照度の変わる様子はグラフィカルで感動的。その美しさに多くの人が足を止めていました。薄い光源を空間に浮遊させるような照明は、いわゆる常識的な照明を超えたものとしてファーストバージョンが評価されています。その進化系が「ディスカバリースペース」で、遠近感を出したり、間仕切りにしたり、光を当てるだけではない照明の可能性を広げています。

家電と照明とデジタルでパイスの垣根を超えたと言われる「ディスカバリー」。RGBW(赤、緑。青、白)の組み合わせで光の彩度を自在に調整します。特に白の光が秀逸。温かみある白からクールな白まで、光の色の質を感じることができました。

商業施設のデザインを変えるような大掛かりな照明が得意なアルテミデですが、小さな新作も見つけました。額のような、ハンガースタンドのような小さな小さなランプ「Curiosity」。食卓の上でもいいですし、コレクションを飾るのにも適していると説明しています。コードレスで持ち運びしやすい、現代のランタン風のランプは多くのブランドでちらほら登場していて、アルテミデも例外でありません。ケーブルレスの可能性は小さいプロダクトからじわじわと発展しています。

近年のミラノサローネでは間違いなくスターデザイナー、中国のネリー&フーのデザイン「NH』。コードのデザイン化は進むばかりですが「乱調の美」ともいえる表現は彼らならでは。光源の先にクリップのようなフックがついていて、これで自在に照明を組み合わせることができます。2018年の発表ですが、これは日本でも人気が出そうです。

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