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MilanoSalone2019 01

ミラノ市と関係深めるサローネ

2019.05.08 キッチンジャーナリスト 本間美紀&宮澤明洋

●ミラノ市がサローネをバックアップ!

Reported  by Miki Homma  journalist

キッチンジャーナリストの本間美紀です。4月、ミラノサローネ国際家具見本市が終わりました。そろそろいろんなレポートや報告会が始まる時期ではないでしょうか? 今年の私のミラノサローネレポートはちょっといつもと変わっています。家具のデザインや素材のトレンドがどう、、、という前に、インテリアや家具の産業が文化的に成熟しつつある、と感じた今回のミラノサローネでした。

スカラ座やマリーノ宮、レオナルド・ダ・ヴィンチ像の立つミラノ市の中心地。立体的な文字のオブジェ。ミラノサローネのトレンドカラーである赤で、見本市名が強くアピールされています。これは昨年まではなかったのでは!

実はミラノサローネ国際家具見本市は昨年から、ミラノ市やイタリアなど行政との連携を強めています。これは昨年、ミラノサローネのプレジデントであるクラウディオ・ルーティ氏(左から2人目)のマニフェストで明確に表現されました。3年後に60周年を迎えるため、3年計画でいろいろなイベントや連携が予定されています。

今年は、2018年に誕生した「ミラノサローネ・マニフェスト」に新たなテーマが加わりました。それが「INGENUITY(インジェヌイティ)」。日本語では「創意あふれるアイデア」とか「創造力」といった感じでしょうか。このキーワードはこれまでのミラノサローネの歩みを表すとともに、2019年の5月2日に没後500年を迎えた万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチへのオマージュでもあるそうです。

「10年以上前、多くの批判を浴びながら見本市会場が市内から隣町のロー市に移転され、マッシミリアーノ・フクサス設計による新見本市会場が建設されましたが、結果、会場は効率的な地下鉄でミラノ市内を結び、高速列車でトリノへ50分、ボローニャへ60分、フィレンツェへ100分と利便性を確保、ミラノサローネの成功が会場移転への反対意見を見事に覆しました」

会期中はミラノ市内が新しい街に塗り替えられます。街中のあらゆる店舗や貸しスペースが新しいクリエイティブなウィンドウに生まれ変わります。これがフオーリサローネです。ミラノデザインウィークの一週間、ミラノサローネは、ビジネスと人々を繋ぎ、フオーリサローネをはじめ、全てを寛大に巻き込み、共有し、街を一体化した唯一無二のモデルケースです」(クラウディオ・ルーティ氏)

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