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Special Issue
Palazzo Molteni Tokyo

ここは邸宅、パラッツォ・モルテーニ東京

2025.06.23 キッチン・インテリアジャーナリスト本間美紀

●ミラノと東京でリンケージする世界

東京のオープンの背景には、もう一つのニュースがあります。話はミラノに飛びます。2025年4月に「パラッツォ・モルテーニ」がミラノの一等地にオープン。この空間と、同じ哲学を東京にも反映させているのです。

アパレルや宝飾、時計などのブランドショールームが並び、昔ながらのトラムが走るマンゾーニ通りにあります。

19世紀に建てられた、イタリアの長い歴史の中では比較的近い時代の建築ですが、威厳があります。この空間をヴァン・ドゥイセン氏がリノベーション。ミラノの建築に多いコートヤード(中庭)のあるロの字型の建物です。

構造上、大きなフロアを持てない建築にヴァン・ドゥイセン氏は大きなガラスの屋根をつけることを英断。その空間は、圧巻です!

ガラスと格子状のスチールが組まれた天井。落ちる自然光が象徴的なリビングが来客を迎えます。

どきりとしたのは実は階段。ここは特に蹴込の角度から陰影の落ち方まで、ヴァン・ドゥイセン氏が綿密に計算したのだろうと感じます。階段を上がるたびに気持ちが一度、リセットされ、クリアな気持ちで向かうことができます。

ヴァン・ドゥイセン氏のクリアな階段空間と、モルテーニの邸宅インテリアが繰り返される構造は、東京も近いコンセプトで設計されています。東京はミラノの約1か月のオープンで、設計はほぼ同時進行で進められたからでしょう。

「外からは塊のようにみえるけれど、インナーコートがある、内部にヴォイド(抜けるような空間)がある、4つのファサードが光を取り込み、モルテーニの世界観を輝かせる」とヴァン・ドゥイセン氏はコメントしています。

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