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The Elevation of Gravity
ガゲナウが目指す究極の静けさ
今回、大きくお披露目されたのはインビジブルIHクッキングヒーター、ビルトインオーブン、ビルトイン冷蔵庫でしたが、どれも「細部に神が宿る」といえる極められた製品でした。
会場は1100平方メートルとゆったりとしつらえられ、Dirk Haubrichによる、オリジナルのカスタムアンビエントサウンドスケープに包まれていました(アンビエント音楽とインテリアもここ数年のトレンドの一つですね)。
空間設計は2022年と同じドイツの設計ユニット「1zu33」が担当。彼らはパリを始め、ガゲナウのショールーム空間のディレクションも手掛けています。
ガゲナウのマネージングディレクター、ペーター・ゲーツ氏は「私たちはここで、文化的な声明を発表します。このインスタレーションは、その構造とコンセプトでFuorisaloneのデザインコミュニティを魅了することを約束します。ここで見せるガゲナウは2つのフレームとサークルで構成された真の芸術作品です」
屋外までブーケを吊るしたオブジェで飾られ、ガゲナウの徹底した美意識を感じながらイベントを後にしました。
最新の技術を持ちながらも「技術」を押し出さない。そんなガゲナウのタイムレスな哲学がこれからどう進化してゆくのか。期待に胸が膨らみました。
取材・文=本間美紀(取材2024年4月)
Text=Miki Homma ( Journalist)