●「カスタムキャビネトリー」が広げること
─建築の世界から見ると、家具やドア、窓の造作などはとても細かい仕事なので、発想法や作業がずいぶん違うのではないでしょうか?
「まずは必要な場所に収納と“居場所”を配していくんです。それを僕が収納をベースに考え、建築におさめていきます」(究さん)
─居場所を配する……?
「はい、居場所をつくらないと、収納は単なる機能になってしまいます。ここが一番、KONARAHOUSEらしいところで、オーダーキッチンも大きな意味では、カスタムキャビネトリーの一つと言えるんです。そこから美栄子が細かい仕様やカラートーン、デコレーションの要素を落とし込む。このコンビワークがまとまりにつながっていきます。」(究さん)
●オーダーキッチン×カスタムキャビネトリー
「藤沢市のマンションリノベーションの例です。オーダーキッチンは家具のように細かく仕立てていきますが、KONARAHOUSEらしさを感じるのが、コーナーダイニングシートです。窓のある小さな部屋を利用して、ビルトインソファで囲んで、ルームスタイルのダイニングに仕立てます。当社のリノベーションでは大人気のスタイルですね」(究さん)
「ダイニングだけに面積をさけない、大空間の中でリビングとダイニングの区分けをつけたい、キッチン脇を子どもの勉強スペースにしたいなど、個室やダイニングテーブルとは違う自由な使い方が発想できるようです」(美栄子さん)
「ワークトップも軽食テーブルとして使えるように。こんな風にカトラリー用の引き出しをつけると、食事の支度もスムーズです。実はこの引き出し、そのままトレーとしてダイニングテーブルに持ち運ぶこともできるんです。家具と道具が一体になったようなキッチンでしょ? 」(美栄子さん)