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Special Issue
German house as it is 03

ドイツの家―森の国が愛する木の床

2019.08.01 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●スキンケアみたい!

そんなオスモ社の塗料はどんな考え方なのでしょうか?

まず木材の表面に膜を張るタイプの塗装ではないということです。塗料は優しく拭くように塗ります。すると木の内部に深くしみこみます。自然の植物油が木の細胞を守って、調湿や呼吸を妨げません。ウレタン塗装のようにプラスチックの塗膜で覆ってしまったら、それはもはや「自然の木」ではなくなってしまうのです。「オスモの塗料は木の種類、性質、乾燥、木地調整など、木の持ち味を整えるものです」というスタープ博士の言葉に、「スキンケア化粧品の話のよう」と感じていました。

さてここは研究室の一部です。思わず「この研究室ってまるでキッチン」と声を上げてしまいました。オスモの塗料はすべて自然のオイルとワックスをベースにしています。カルナバワックス、ひまわり油、大豆油、アザミ油、カンデリラワックスなど。食物にも使われるこの油を、さらに精製してつくられています。研究室で精製している様子を見せてもらい、品質への真摯な姿勢が感じられました。

さらに素晴らしいと思ったのは、すべての研究室にドイツの建物の特徴である大きな窓があったことです。働いている人はいつも自然の景色を眺めながら仕事をしています。移り変わる季節や色が目に入ってくるのです。こういった環境が人の心に無意識に作用し、製品の哲学に影響を与えているような気がします。

研究施設にも窓があり、まるで絵画がかざってあるかのようです。ちなみにこのラボ、家庭のキッチンにしても素敵ですね。

その後、様々なテストが繰り返されますが、印象的だったのは外装剤の試験。最も日差しが強いとされる南西に向け、太陽の光に晒します。これで1年露出します。

自然環境との調和はオスモ社の塗料の大きなテーマなのです。

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