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Special Issue
German house as it is 03

ドイツの家―森の国が愛する木の床

2019.08.01 キッチンジャーナリスト 本間美紀

【REALKITCHEN& INTERIOR ×ドイツの家】

ドイツの家というとみなさんは何を想像するでしょうか? 三角屋根の並ぶ街、うろこ屋根、レンガの壁…。私の言葉で言えばドイツの家は「生きている」家です。そんなドイツの家を読み解く連載の、こちらは最終回です。

日本人が家に抱く憧れのひとつに「無垢の木」という素材があるでしょう。家の中に、床なのか、家具なのか、無垢の木があるだけで、ほっとするような気がします。今回はそんな無垢の木の床材メーカーとして知られるドイツ・オスモ社の訪問記です。オスモというと日本では「オスモカラー」という塗料が有名ですが、実はドイツでも有名な木材メーカーなのです。本社は塗料より、床材や木材が山のように積まれているのです。

ドイツ・オスモ社の工場には様々なラボがあります。私が目を奪われたのは壁のサンプル。樹種と塗装、木目の組み合わせでこんなにバリエーションがあります。

オスモの工場には世界から木材が届きますが、なかなかお目にかかれない長尺の木材なのです。この長さ、厚さにも理由があり、オスモが単に「床材」を売っているだけではない根拠になっています。それはドイツ人が家に木材を使うのは、「森を家の中に再現したいから、暮らしに自然を取り入れたいから」ということが大きな理由なのだそうです。手触りや機能といったメリット以上に、そのような森と暮らし自然と共生する哲学がベースになっているのです。

ですので、できるだけ森の中や自然の木に近いあり方をキープすること。これがオスモの床材の開発の原点なのです。その木が家の中で人間と共生するために、呼吸をする、長く生きられるようにする、健康な状態であることが大切で、専用の塗料を開発するに至ったのです。ひいてはそのことが住む人の幸せや健康につながるという発想です。

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