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Special Issue
New Challenge minotticucine

絹、ブロンズ、素材へ挑むキッチン

2018.06.26 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●ユーモアある人柄から生まれる極上のキッチン

日本や海外で取材をする中で、製品やブランドの背後に“人”を感じることがあります。ミノッティクチーネも社長のアルベルト・ミノッティ氏なしでは語れないキッチンでしょう。お会いするのは今回で2回目ですが、いつもその人柄に魅了されてしまいます。イタリア国中を駆け巡り、産地ごとの石の性質を知り抜いています。「僕たちのデザインは不変でミニマルです。いつも何が変わったの?と思う人もいるでしょう。ところが今回は技術的な挑戦が山のようにありました。けれどもそう見せない、さりげなくデザインに仕立ててみせる。それがミノッティの哲学なんです」とミノッティ社長は話します。

この石は美しいけど割れやすい、この石は収縮をする、などを知っているから、木や金属など他の天然素材と組み合わせるキッチンを生み出せるのだと思います。スケッチから生まれるのではなく、素材の持ち味から生まれるのです。だからミノッティキッチンを「神からの贈り物」と呼ぶ人もいます。

「人の肌のように石に触れ、表面を感じ、性質を知るのさ」と石に口づけするミノッティ社長。

一体こんなアイディアをいつ考えているの?と聞いてみると「1日中さ。起きている時も寝ている時も、夢の中でも」と茶目っ気たっぷりに答えてくれました。キッチンは静謐で凛とした緊張感があるのに、ミノッティ社長はいつも朗らかでユーモラス。と、そう言いながら、自身がデザインしたキッチンに飛び乗って寝っころがります。日本で購入したら何百万、いえ何千万円もするキッチン!私にはそんなこと怖くてできませんけど。。。。


こんな風に芸術の息づかいを感じるビジネスにイタリアでは出会うことがあります。それはマーケティングの理論やビジネスの効率だけでは推し量れないものです。そしてミラノで何かものを見るときは、いつも私はこう問われているのような気がします。「あなたは誰?」。ブランドの価値はブランド側から押し付けるのものではない。あなたがどんなものが好きで、何が理想で、どう暮らしたいのか。それに応えるのがブランドであり、製品哲学。そんなことを確認できた取材になりました。

 

前回のエウロクチーナ2016の記事もこちらから読めます!
ミノッティクチーネー神からの贈り物

supported by ミノッティクチーネジャパン

取材・文/本間美紀 Reported by Miki Homma/journalist

リアルキッチン&インテリア著者 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)

撮影/岡村享則  photograph by Yukinori Okamura /Photographer

リアルキッチン&インテリアを代表するフォトグラファーとして活躍中。大学で住居学を学んだ後、桑沢デザイン専門学校へ。建築写真家の事務所で修行。独立後は大手新聞社でジャーナリスティックな撮影を手がける。その経験から得られる現場感覚とデザインへの感度でストーリーを紡ぐようなライフスタイル撮影に定評がある。暮らし、インテリア、料理などの撮影のほか、釣り雑誌での連載を持つなどアウトドアマンとしての顔も。

 

ミノッティクチーネ・ジャパン
TEL:03-6402-3557
http://www.minotti-jp.com/

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