
●ドイツキッチンらしいドイツキッチンージーマティックの魅力とは
ここで一度、ジーマティックというキッチンの特徴を再確認してみたいと思います。まず、合理的で無駄をなくし、ゆとりの時間を大切にするドイツ人の国民性が存分に活かされているのがジーマティックで、製品だけではなくカタログや売り場のセールスコミュニケーションまで考え抜かれた開発力が、世界屈指のキッチンブランドです。
その基本はモダン建築のフォルムや内外装のトレンドを研究し、外見は直線をベースにしたシンプルなキッチン。キッチン収納の中や使い勝手はこれぞドイツキッチンというべき、数多くのシステムパーツでカスタマイズできる仕組みです。
料理という家事をいかにテキパキと作業できるか、収納の位置や量が細かく指定され、素材はすべて長持ちして汚れにくいものが厳選されています。日々の無駄な時間を少しずつ節約することで、ヨーロッパ流の「ロングバケーション(夏にしっかりと2、3週間休む生活週間)」の時間が生み出されます。企業のメリットだけではなく、生活者のメリットを考えているのもドイツキッチンであり、その哲学が徹底して製品化されているのもジーマティックです。
ということで、私も「外はすっきり、中はじっくり」のような表現でジーマティックを説明することが多かったのですが、ミラノで見た新作では建築よりもインテリアにそう考え方が強く打ち出されましたね。
ドイツのキッチンブランドは毎年9月に新作を発表しますが、マーク・スポーラーさんによると「今年秋のハウスメッセは、ジーマティックにとっても、久々にマイルストーンになる画期的な機会になるよ」と教えてくれました。実はそのヒントはこの新作キッチンに隠されていますいったいどんな風にその新方向が展開されていくのか。その答えは秋以降になりそうですね。
supported by ジーマティック青山
2017年のジーマティック青山オープンのレポートはこちらで読めます。
またジーマティックの製品哲学はこちらから。
取材・文/本間美紀 Reported by Miki Homma/journalist
リアルキッチン&インテリア著者 早稲田大学第一文学部卒業後、インテリアの専門誌「室内」編集部に入社。独立後はインテリア視点からのキッチン、家具、住まい、家電、キッチンツールまで、デザインのある暮らしの取材を得意とし、建築家住宅の取材は300件以上、ユーザーとメーカー、両サイドからのインタビューを重視し、ドイツ、イタリア、北欧など海外取材も多く、セミナー活動も増えている。著書に「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)「リアルキッチン&インテリア」(小学館)
撮影/岡村享則 photograph by Yukinori Okamura /Photographer
リアルキッチン&インテリアを代表するフォトグラファーとして活躍中。大学で住居学を学んだ後、桑沢デザイン専門学校へ。建築写真家の事務所で修行。独立後は大手新聞社でジャーナリスティックな撮影を手がける。その経験から得られる現場感覚とデザインへの感度でストーリーを紡ぐようなライフスタイル撮影に定評がある。暮らし、インテリア、料理などの撮影のほか、釣り雑誌での連載を持つなどアウトドアマンとしての顔も。
ジーマティック青山
東京都港区南青山2-13-10エスエムダブリュ・ジャパン
TEL:03-5785-4300
営業:10時〜18時
休:水
http://www.siematic-japan.com