INTERIOR
Visiting Kartell Museo

モダン家具のブランドミュージアムを訪ねて

2023.07.27 キッチンジャーナリスト 本間美紀

⚫︎ムゼオがリストランテに変わる夕刻

ひと通り、カルテル・ムゼオの案内をしてもらい庭に出ると、ブランドカラーの赤い屋根、芝生の緑の対比が目に眩しい。その前に置かれたカルテルのアウトドア家具シリーズ。

単品で見ているだけだと色が強めに感じることもある家具。緑の芝と赤い屋根、季節の花、それぞれを結ぶのが家具で、実はその色は季節に合わせて「景観になる色」だったと知る。それだけで来て良かったと思う。

さらにムゼオの中に戻って驚いた。夕刻に近いムゼオの中は一転、レストランの様なテーブルセッティングがしつらえられてあった。

エリーザさんに聞くと、「ミラノサローネ期間中のムゼオでは、毎晩のように世界中のゲストをお招きしています。一流シェフのケータリングをふるまって、実際に製品を使って食事してもらうのが一番のコミュニケーションでしょう?」と説明してくれた。

軽くて強くて耐久性があり、デザインバランスが考えられた家具だから、あっという間にこんな空間が出来上がってしまう。テーブルウェアやグラスまでカルテルの樹脂製の食器だ(パトリシア・ウルキオラの「ジェリーズ」)。どんなお料理が供されるのだろう!

エレガントで知的でテクニカル。理系と文系が混ざったような発想。ウィットに富んだコミュニケーション。カルテル・ムゼオでのわずかな時間が、私にたくさんのことを教えてくれた。

Report&Text=Miki Homma(Journalist)
取材・文=本間美紀

Kartell

カルテル・ムゼオ のグローバルサイト
入館方法 オンラインのアポイントメント制でどなたでも無料でご観覧できます。
PREV 1 2 3 4 5 6

Recommend

TOP