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Days & Stories

フランクフルターキッチンで食事する

2023.02.14 キッチンジャーナリスト 本間美紀

【本間美紀のコラム 2023/2/13】

●ドイツ─久しぶりの長い旅

10日間は長いか短いか。

久しぶりに自分としては長く感じる旅に出ていた。予定はポイントで重要なものを入れ、その間を少しゆるめに旅を組んでみた。仕事以外のもろもろをたまにはコラムで書いてみる。

まず3年半ぶりのドイツ・フランクフルト。

仕事の主目的はもう何十回と通っていたフランクフルトメッセの見本市「アンビエンテ」の取材。「welcome home」のグラフィックがいつも以上に心に沁みる。何度も延期しての開催。そして大きなリニューアル。主催者側も、それなりに不安だったはず。

ファミリープレスと呼ばれる、定点観測を期待して招待される顔馴染みのジャーナリストたちと、3年ぶりの再会を果たして話に花が咲く。

そして夜にはインターナショナルプレスディナーが開催される。会場は私がコロナ前に行こうとして行けなかったレストラン「MARGARETE」だった!

フランクフルトの中では新しい世代のレストランだ。「フランクフルターキッチン」という戦後のフランクフルトの公共団地で開発されたキッチンをテーマにしたインテリアで知られる。

キッチン設計を担当した建築家・マルガレーテ・シュッテ=リホツキーにちなんだインテリアで料理を提供する。フランクフルターキッチンは素朴で合理的なキッチンキャビネットで、ドイツのシステムキッチンの発祥。「主婦ではなく、建築家としてキッチンを設計しました」とマルガレーテは言ったそう。1万台のキッチンが生産され、戦後ドイツの労働者階級の生活が改善された。

元のキッチンはいまでも集合住宅ごと文化財として保存され、フランクフルトから郊外電車で見にいくことがができる。私もだいぶ前に見に行って、本当に日本の団地のような狭い住居での合理的なキッチンに驚いた(東京の阿佐ヶ谷住宅みたいな感じ)。

これがフランクフルターキッチン的なキャビネットの一部。このレストランができたときは、なるほどーと思った。フランクフルトらしいエピソードがある。

招待ジャーナリストたちが集まってきて、ディナーの時間が始まる。サーブされるメニューはオーガニックな素材でヴィーガンまで対応する今どきのジャーマン・ガストロノミック。
普段はビストロカフェとレストランのゾーンに分かれて、用途で使い分けられるお店だ。

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