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ミラノサローネ本会場の新企画とキッチンバス

2026.04.16 キッチンジャーナリスト 本間美紀

・クイックにわかるミラノサローネ2026のポイント

前回の記事ではまず、ミラノサローネ国際家具見本市への心構えをお伝えしました。
またよく「市内イベントに行けばフィエラ(会場)に行かなくてもいい」という声を聞きますが、目的もよりますがそれもどうかな、と私は考えます。

というのも、ミラノをはじめとする世界の家具の取材をしてまとめている本「リアルリビング&インテリア」の取材をしていると、ミラノサローネ会場で多くの「知らなかったブランド」に出会うからです。

前回のプレインフォは少しコンセプチュアルに過ぎたので、ミラノサローネ事務局から発表された今年の傾向を抜き出し、私のコメントを加えました。ただものを見るだけではなく、以下にピックアップされた文脈を踏まえてみることで、得られるものがより深くなるでしょう。

[ミラノサローネ広報事務局からの発表から]

2026年4月21日〜26日にミラノ・ローで開催される第64回サローネは約1,900社以上(32カ国)が参加する世界最大級のデザインイベントです。

会場規模は約169,000㎡に及び、国際的な家具・インテリア産業の中核的なプラットフォームとしての役割をさらに強化しています。今年の大きな特徴(構造の進化)今回のサローネは、単なる「製品展示」から「産業・市場・文化を統合するインフラ」へと進化している点が重要です。


プラットフォームから「システム」へ進化

2026年のテーマは、より統合された展示構成とコンテンツ設計。サローネは単なる製品発表の場から、産業全体を支える「インフラ」へと進化し、国際市場や製造の未来に向けた視座を提示します。

会場にはB&Bイタリア、ミノッティ、エドラ、カルテルなど日本でも人気のイタリア家具、ヨーロッパ家具のブースがそろうのはもちろん、新企画も注目です。この方向性の中核をなすのが、本年からの2つの新企画「サローネ・コントラクト」と「サローネ・ラリタス」です。

大規模プロジェクト市場への本格展開

■ Salone Contract サローネコントラクト

ホスピタリティ、不動産、公共空間などの大型プロジェクト市場に対応
レム・コールハース(OMA)によるマスタープラン
「プロダクトからシステムへ」という産業構造の転換を提示ーマ別展示ルートを初めて構築。ネットワーキング支援としては、国際的トッププレイヤー向けのマッチメイキングプラットフォームを新設予定です。

レム・コールハース氏

さらに、ロー、フィエラミラノ内では、当該セグメントで既に活動する出展者によるテーマ別展示ルートを初めて構築。ネットワーキング支援としては、国際的トッププレイヤー向けのマッチメイキングプラットフォームを新設予定です。

コレクタブルデザインの新領域

ホール9で開催される「サローネ・ラリタス / Salone Raritas」は、キュレーターのアンナリーザ・ロッソとFormafantasmaによる展示構成のもと、「建築的ランタン」としての役割を担い、唯一無二のコレクタブルデザインに焦点を当てた新企画です。

■ Salone Raritas サローネラリタス

コレクタブルデザイン、一点物、限定作品に特化
ギャラリーとデザイン市場を接続する新しい枠組み
アートとデザインの境界領域を拡張

28の出展者に加え、NilufarやCOLLECTIONAL、Salviati x Draga & Aurel、Mouromtsev Design Editions、Mercado Moderno、Bianco67、Brun Fine Artといった国際的ギャラリーなど国際的ギャラリーが参加。アンナリーザ・ロッソのキュレーションおよびフォルマファンタズマによるエキシビションデザインのもと、建築家やインテリアデザイナー、ホスピタリティ業界に向けた新たなリファレンスとして、研究性と実験性の高い領域を提示します。

以上の2企画に関して、私がコメントすると、コントラクトは上質な家具を求める大型物件プロジェクトとメーカーをの出会いをつなげる「上質量産」の世界。

ラリタスは信頼できるキュレーターによる「コレクションアイテム」を揃える会場と推察されます。芸術文化、現代アートがインテリアと近づく時代に求められる「1点もの」や「希少なハンドクラフト」がみられそうです。

つまり見本市会場という同じスタンダードの中で、全く違ったベクトルの家具がワンストップで見られるのです。

次のページではキッチン、バスについて触れます。

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