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Serene Space, Delicate Details
静けさの中にさりげなく自分らしさを
2024年のエドラはとにかく力が入っていた。カッシーナやB&Bイタリアが並ぶ通りの奥の、ドゥリーニ宮殿を借り切った常設展も行っていたが、あの個性の強い家具たちはトロンプルイユのよう描かれた、古典的な壁画に十分に対峙して、建築の美しさを増幅させている。
クリアブルーのチェア「ア・マーレ」は、1本1本手作業で仕上げたポリカーボネートのスティックを組み合わせている。水を固めたらどんな形状になるだろうか。そんな発想から生まれているという。これもヤコポ・フォッジーニ氏。
テキスタイルやアップホルストリーに強みを持つが、当時は最新の技術だったポリカーボネートを自在に駆使できるようになったのは、才能あるアーティストの魂に導かれて、というところが大きいだろう。エドラはそんな意思を持つのだ。