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堕天使が降りてきた

2024.05.27 キッチンジャーナリスト本間美紀

・宮殿の華やかさを増幅させる力

2024年のエドラはとにかく力が入っていた。カッシーナやB&Bイタリアが並ぶ通りの奥の、ドゥリーニ宮殿を借り切った常設展も行っていたが、あの個性の強い家具たちはトロンプルイユのよう描かれた、古典的な壁画に十分に対峙して、建築の美しさを増幅させている。

クリアブルーのチェア「ア・マーレ」は、1本1本手作業で仕上げたポリカーボネートのスティックを組み合わせている。水を固めたらどんな形状になるだろうか。そんな発想から生まれているという。これもヤコポ・フォッジーニ氏。

テキスタイルやアップホルストリーに強みを持つが、当時は最新の技術だったポリカーボネートを自在に駆使できるようになったのは、才能あるアーティストの魂に導かれて、というところが大きいだろう。エドラはそんな意思を持つのだ。

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