旅した旅した2023年

・日本の都市も変わっていく

国内出張も数え切れない。

取材のご縁がなかったら行かなかっただろう、日本のたくさんの場所に出かけた。主要都市だけではなく、ここには書き切れないほどの、小さな街、知らなかった県、高速を走って走ってたどり着く場所。びっくりするようなエリアに現れる住宅地や秘密の別荘地。住宅の取材では特に、そういう場所が多い。家や建築は動いてくれない。だから私が動く。当然なんだけれど、足を運べば、必ず得難いことがその先に待っている。

［福岡］
福岡は川沿い豊かな街で、今年ますます好きになった都市の一つ。
中川のほとりのシンボルホテル「ホテル　イルパラッツィオ」が内田繁さんとアルド・ロッシを中心としたデザイン資産として再生された。継承されたデザインをホテルの武器としていく再生の発想。

食べ物も美味しいし、空港も近い。キッチンやインテリアの関心も高く、多くのインテリア、キッチンブランドがショールームを構えるのも理解できる。

［大阪］
大阪。実は梅田のスカイビルに初めて行ってみた。と、いうかそこが仕事の場所だったため。興味津々だった。

空中庭園展望台の説明で、設計者の原広司さんが描いた空中ユートピア構想を知る。哲学、構想、建築美学を持つ高層ビルと、豪華さと利便性を競うタワービルの違いを肌で感じた。

［京都］
今年は京都も何度も出張した（全然観光地に行けてないけど）。その一つ、カリモク家具の仕事では京都文化博物館の講堂でセミナーを行った。

辰野金吾設計で、日本銀行京都支店だった場所。そこでお話しさせていただくことは、今年のセミナーの中でも特に感慨深かった場所。声の響きが心地よく、とてもよく話せた。空間って大切。

そして年末の京都出張でやっといくつかの神社を訪ね、神様にお願いをしたり御礼をしたりできた。ほっとする。

［名古屋］
名古屋はやはりトヨタの力を感じるダイナミックな都市。何もかもが大きく感じる。駅前の高層ビル群も４車線の道路も。

5月に名古屋の国際展示場で開催された海外ブランドビルトイン家電のイベント（この会、よかったです、来年も期待！）でのセミナー仕事。その会場でこんな大きな馬の彫刻を見た。

なんと名古屋市制100周年を記念して、レオナルド・ダ・ヴィンチが実現できなかった7.2mの「スフォルツィア騎馬像」を愛知県の技術の粋をもって再現したそうで、人と比べて見るとその大きさがわかる。FRPでできている。なんでもなさそうなことだけど、この馬の巨大さは今年なんだか忘れられないことの一つ。