●一つの目的に特化した「超専門ブランド」の登場
最後に、私が注目した意外なブランドを紹介します。「ハッピーシンク」というフィンランドのブランドです。ブースも商品も小さくて、あまり気に留めていなかったのですが、ベルリン在住のプロダクトデザイナー、マーク・ブラウン氏に紹介されて、訪問しました。
「ハッピーシンク」は「シンクまわりの快適さ」という非常にニッチな目的に特化したブランドです。
スポンジやふきんのホルダー、洗剤おき、水切りラックなどをラインナップ。日本人がキッチンでももっとも気にするシンク周りの不快感を解消したい。
それは世界でも共通なのでしょうか。
同社はマグネットで強力に貼り付くホルダーやクロスハンガーをそろえ、キッチンシンクまわりの快適な暮らしを支えることに徹しています。
アイテムそのものは従来、山のようにあったものかもしれません。
けれども製品群にテーマを与え、明確な目標を与えることでブランド化した、という大変珍しいケースだと思います。
というか、それこそが「ブランディング」なのだと思いました。
そしてとても驚いたのは、最後に紹介された商品。夏になるとキッチンシンクやダストボックスの周りに現れるコバエたち。
その悩みも世界共通のようです。
大きな口を開けたカエルの中に、特別な薬品をいれると、その中にコバエたちが飛び込んでいく仕掛け。
日本のドラッグストアで売っている発想のそれとはまた違う、デザインとは、暮らしとは、ソリューションとは何か、そんなことを考えさせられる不思議なアイテムだったのです。
大きくリニューアルしたアンビエンテ。大きな変化もありましたが、また小さなブランド、小さな製品にも世界観がある。
それを見抜く力を試されたような、新しいアンビエンテ、2024年の同見本市は2024年の1月26日〜30日の開催となります。
次回はアンビエンテからのフォトレポートをお送りします。
取材・文=本間美紀 Miki Homma /Journarist
コラム「アンビエンテを知っていますか?」もぜひお読みください
Ambiente
Creativeworld
Christmasworld
ambiete archives
これまでのアンビエンテの記事アーカイブはこちら
アンビエンテ国際消費財見本市
会期:2023年2月3日〜7日(2024年は会期が1月に変更の予定)
会場:メッセフランクフルト国際見本市会場
問い合わせ:メッセフランクフルト ジャパン
海外見本市チーム
Tel:03-3262-8444
E-mail:info@overseas-fairs.com