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DESIGNART TOKYO report #001

デザイナート トーキョーが始まりました

2022.10.23 アソシエートライター 安藤菜穂子

●さまざまなサステナブルのアイデア

インフォメーションセンター会場内には、9のデザイナー、団体による作品が展示されています。

まず、会場構成を担当した、今後注目のデザイナー、板坂 諭(いたさかさとし)氏は、自身がデザインを提供しているエルメスの「Petit h(プティ・アッシュ)」の作品を出展。

端材レザーを用いて作られた絆創膏。キズついたバッグに貼ると楽しそう。

「Petit h」は、エルメスの工房で使われなくなった素材からデザイナーがインスピレーションを得て、異なるメチエ(部門)の職人技を融合して作品が生み出されるサステナブルなプロジェクトです。

エラー品を日本独自の金継ぎ技術を用いて再生させたテーブルウェア。

また海外からは国家戦略としてデザインをとらえる「台湾デザイン研究院」から、7組のデザイナーの作品が出展されています。

Duolog Design LLCによる「Hibang RE-fishing-Net Circular Eyewear」。海岸に漂着した廃棄魚網を素材に使用した100%再利用可能なアイウェア。わずか15gの超軽量で、強い圧力がかかっても壊れにくい(撮影者が映り込んでいます、悪しからず)。

「台湾デザイン研究院」は、2020年に台湾政府が設立した、国家級のデザインシンクタンク。「台湾は社会的イノベーションを実現するための重要なファクターとしてデザインを捉えています」(同院広報サイさん)

台湾電力が発電する過程で発生する副産物や廃棄設備をアップサイクルするプロジェクト。不要となった路上変圧器のケースを利用したコースター。

デザインの力で省庁のリソースを統合し、ガバナンスや国家戦略に活用することを目標にしているとのこと。台湾、進んでいますね!

こちらの複雑な模様のチェアとテーブルは、実験的なアプローチを得意とするデザイナー狩野佑真氏による「Forest Bank」。

価値の低い小径木をはじめ、枝葉、樹皮、実などとその森の土を、反応性ミネラルベースと水性アクリル樹脂とで混ぜ合わせて製作されています。「本来の樹木の木目同様、削り出すまでどんな模様が出てくるかがわからない面白さがある」と狩野氏。

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