●この本が生まれたWHYとHOW
ライターの安藤菜穂子です。
キッチンとインテリアを長く取材してきたジャーナリストの本間美紀の最新刊、「リアルリビング&インテリア」が、9月15日に発売されました。当コラムDays & Stories「エピローグからはじめよう」で発売前に心情を吐露した内容に、私は興味そそられました。
発売を記念したセミナーは満員御礼、久しぶりの対面式とあって、換気は徹底されつつもかなりの熱気。本間が自身の言葉で「なぜ、この本をつくったのか」、「どうやってつくったのか」を語りました。本間は、前書き「このメディアは何のために生まれたのか」で、“私の頭の中をお見せするような内容になっています”と書きました。
おおよそ、人間の頭の中ほどとっ散らかっているものはありません。でも、それを整理し、なんとか伝わるようにと考えた末にたどり着いた答えが、この本の、見たことのない挑戦的な構成に現れているのです。
以下はプロローグからの抜粋です。
「本書は世界のインテリア、家具ブランドから発信される、新しい情報や感情を伝えたいという願いから生まれた本です。ミラノや北欧など世界で発信される、一流のメーカー、デザイナー、建築家、アートディレクターによるインテリア製品やコミュニケーションビジュアルは、気が遠くなるほどの想いと、地道な作業が積み重なって生まれたものです。
世界の家具の最新デザインを情熱的に発信し続けて、60周年を迎えた、イタリア「ミラノサローネ国際家具見本市」がこの本の誕生の後押しをしてくれました。この本はミラノを見て歩いた私の体験と、世界中から私の元に集まるたくさんの家具、インテリア、建築、デザインのプレスリリースを先入観なく丹念に読み込みました。こういった情報を責任をもって預かり編集することで、みなさんの住まい、インテリアに対する視野を広げ、もっと自由に考えてほしい。
そんな頭の中をお見せするような、内容になっています。 本書は正直、あまり実用的ではないかもしれません。私が感動したものに純粋に向き合い、みなさんの心に真っ直ぐに届くようにできるだけ「無音」で表現し、読者の皆さんのインスピレーションに昇華するように伝えたいと思いました。これは新しい表現への挑戦です。」(「リアルリビング&インテリア」より)
そう、この本は「なぜ?」と「どうやって?」を知ると、俄然輝きを増す1冊なのです。