【porada】造形的、曲線的な木製家具で知られるポラダ。今年はだいぶすっきりとしたフォルムに。ケーブルが収まるライティングビューローに、ポラダには珍しいハンギング照明。気になったのが、自然の枝のようなアームのチェア。木材の姿を写し取ったようなデザインは、最近よく見かけるような気がします。
【cattlelan italia】「バタフライ」と呼ばれるインパクトの強いレッグとガラス天板のテーブル。そして「エアポート」という名の細身のラインのシェルフ。濃淡つけた展示でした。ここも毎年、ケラミックや金属素材を多用した家具がブースにぎっしり並んでいましたが、削ぎ落としたことで、コーディネートのヒントが見えました。後ろに並ぶキャビネットはエンボスされたクオーツ系の素材だそうです。
【GERVASONI 1882】ジェルバゾーニは定番の「ゴースト」をシンプルに配し、壁面で製造過程の持続可能性を見せるメッセージ性のある展示でした。
実はここ数年、特に海外の見本市は商品が飽和し、ブランドストラテジーが似たり寄ったりになり、華やかなイベントを競ったり、一方ではコンセプチュアルになりすぎて、難解になったり、充実するのだけれど、情報処理も感動や余韻を味わう暇もないこともありました。
純粋にブランドや製品に集中できるサローネ。今回はそんな新鮮な驚きがありました。
次回は今後のミラノサローネに関わっていく、関わってきた要人たちのストーリーを紹介します。
Reported by Miki Homma
スーパーサローネ開催期間:2021年9月5日〜10日
取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
Photo credit= Andrea Mariani, Diego Ravier, Francesco Rucci, Luca Orsi
取材・文=本間美紀