●緑と光で出迎えるスーパーサローネ
Reported by Miki Homma ( journalist)
開催するのかしないのか。デザイン関係者の中でも話題になっていたミラノサローネ国際家具見本市。コロナ禍の中、9月5日から10日まで開催された、今年限りのスーパーサローネ。こんな時代だからこそ、是非、見に来てくださいとイタリアから熱心なお声がけがあり、「リアルキッチン&インテリア」では、迷いに迷ってイタリアに行ってきました。
出迎えてくれたのは光と緑いっぱいの会場エントランスでした。
出展社は8割以上がイタリア企業で、425社が参加(うち16%がイタリア国外)。会期最終日、来場者は6万人(前回38万6千人)という結果になりました。とはいえ、来場者の内訳はイタリア国外から113か国と発表されています。
アジア人の姿はあまり見かけませんでしたが、少なくとも会場で会ったアジアからのジャーナリストは日本とシンガポールのみ。他地域ではEU各国、アメリカ、ロシア、フィンランド、ブラジル、アルゼンチンなど南米からもジャーナリストが来場していました。
今回は建築家であり、キュレーターのステファノ・ボエリが指揮するクリエイティブチームが会場構成やグラフィック、デジタルなどを統一したディレクションでまとめています。会場の入り口にはスーパーサローネのために用意された100本の樹木が、厳しい入場チェックを待つ人々のソーシャルディスタンスを満たします。
ボエリ氏はいまやミラノのアイコニック建築である「ボスコ・ヴェルティカーレ(垂直の森)」の設計者ですから、彼らしくミラノを表現したアイディアです。
ミラノの都市緑化プロジェクト「フォレスタミ」と共同した企画で、樹木はカエデ、トチノキ、イチョウ、リンゴ、スモモ、ナラなど。会期後はミラノ市内の公園に移植され、ミラノの二酸化炭素削減に貢献します。