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Milano supersalone01

緑と希望にあふれたスーパーサローネ開催

2021.09.21 キッチンジャーナリスト 本間美紀

●3ヶ月の短期間でギャラリースタイルの展示

今年は4ホール約7万平米を、長い回廊型の展示が並ぶ構成です。

展示会場はすべて奥行3mで統一され、出展者は面積(広さ)ではなく、動線の「長さ」を決めて参加する方式です。全社がこのフォーマットに準じることで、誰もが見やすく、密にならないウォークスルーギャラリーのような展示ができるのではという、コロナ禍の制限を逆手にとったクリエイティブチームの発想でした。

歩いていると、洞窟のようなトンネルが随所に現れます。その向こうにブランドのプレゼンテーションがチラチラと見え隠れします。歩く時の視線から設計されている!と実感します。

会場の’’密’’を避けるためで、ところどころに休憩所をはさみ、ソーシャルディスタンスを保つ工夫がみられました。

今回は何と言っても、細長い空間に限定される中で、イタリア人のセノグラフィー力を感じました。セノグラフィーという言葉は日本ではあまり聞かれませんが、海外で取材をしているとよく聞く言葉で、舞台や展示、店頭など「遠目で見て成立する空間構成」をベースに視覚や聴覚を組み合わせた考え方で、舞台美術で多用されますが、最近ではインテリアのショップや展示会でも取り入られている考え方です。

開催決定から開催まで3ヶ月しかなく、さらにイタリア人の大好きな8月のバカンス期間もはさんだため、「ギリギリになるけどやるときはやる」と言われるイタリア人の底力を見た感がありました。

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